豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

後藤優介  スペースを使う才能、"水を運ぶ"ストライカー

■縁の下で輝くストライカ

FW。またはストライカーと呼ばれる役割。サッカー選手にとって花形でもある役割だ。最もゴールに近いポジションであり、誰よりも得点のチャンスが多いポジションだ。しかし、中にはゴールを狙うだけではなく、組み立てやチャンスメイクに力を出すタイプもいる。チームのために汗を流すFW。そんなタイプもいたっていいじゃないか。

 

 

 

■戦術眼に優れるプレーヤー 後藤優介

 後藤優介のプレーは、知的というよりも才能と表現した方がいい。僅かだろうとスペースを見つけられる眼力。ボールを引き出す動き出しのタイミング、視野の広さ。これは簡単に身に付けられるような代物ではない。生まれもった能力だ。


J1リーグ第27節セレッソ大阪戦、前半40分のシーン

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カルリーニョス・ジュニオが左でボールキープ。後ろに下げるところ。後藤はハーフスペースの引き気味なポジショニングをしている。

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左SBの金井貴史にボールが入る。このタイミングで後藤は動き出す。

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ゾーンで守るセレッソの僅かに生まれるスペースのギャップ。ハーフスペースの奥へ走り出す。

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ボールを受ける。少しズレたはしたものの、キープする。

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キープすることで相手を3人引き付けられた。この後は、フリーな選手やスペースを使えばいい。1人で3人も付けていれば、必ず空いている人や空間はある。


この後、フリーな金井がミドルを放ち攻撃が終わった。




続いて第26節ヴィッセル神戸

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ショートカウンターのシーン。後藤がボールキープ。溜めを作る

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竹内涼がサポートに来る。竹内に預ける。

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竹内がボールキープ。相手を2人引き付ける。後藤が狙うは相手の背後。

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相手を引き寄せて背後のスペースへ。後藤の目の前にはスペースが広がっている。

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ここからミドルを放ち、攻撃が終わった。





後藤の特殊能力は、スペースを見つけ的確なタイミングで使用することが出来る。それは自分だけではなく、タメを作り味方を活かすためでもある。また展開力もあり逆サイドへボールを振ることもできる。


チームのためにスペースを見つけ、使い、作る。簡単そうに見えて実はかなり難しい個人スキル。誰が監督であっても起用される選手だ。