豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

エスパルス版ポジショナルプレー part1/ゾーンを破壊する者:その男の名は後藤優介

ZONEとは

 

 

かつて結成された日本のガールズバンド。。。

 

 

 

 

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ふむふむ

 

 

 

 

■ゾーンとは?

間、とも言われる人と人の間に存在するスペースのこと。

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このスペースのことですね。

ゾーンディフェンスを敷いてくるチームが増えたことで、闇雲にパスを入れてくるチームや、個の能力で攻め込むという単調な攻撃のチームは、ゾーンに引っかかって、その周りでプレーするに終始してしまいます。

 

 

 

ゾーン攻略法

このゾーンを破壊していく強き挑戦者っていうのはいつの時代でも現れるもんなんですね。手っ取り早いゾーン攻略法は、このゾーン破壊者がゾーンに入ってボールを貰うこと。ゾーン破壊者とは、この僅かなスペースでプレーできる選手のことです。

 

 

ゾーン破壊の申し子 金子翔太

ゾーン破壊といったら、2018年の金子です。金子には爆発的なスピードもなければ、決定機を生み出すキラーパサーでもありません。ですが、それでも10ゴール10アシストという結果を残しました。シンプルなプレーでも、確実にゾーンを破壊していたのです。

 

例えば、ゾーン内でボールを受けて簡単にはたき、相手が食いついてからの裏狙いが十八番。

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ゾーン破壊とはこういうことですね。ゾーンの中でシンプルにボールを受け、ボールをはたき、相手を食いつかせて裏を突く。シンプルで誰にでもできそうですが、スペースが狭く、プレスに来る時間も短いので、状況判断力や確かなテクニックがないと、破壊する前に自分が相手のプレスの前に破壊されます。シンプルでも難しい。

 

 

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新ゾーン破壊神 カルリーニョス・ジュニオ

ゾーンの中では極力シンプルにプレーすべきです。ですが、中には独力でゾーンを破壊できる強者もいます。今季から新10番を着けるカルリーニョス・ジュニオです。

 

カルリーニョスドウグラスと違い、独力でゴールまでこじつけられるような、いわゆる“戦術ドウグラス”に成り得るタイプではありません。ですが、ゾーンというわずかで相手の一番のウィークポイントとなるスペースでは1人で攻略できる能力は持っています。

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ゾーンでボールを受け、前を向き、仕掛けることができる。これがゾーンにおける独力での状況打開力です。よく中央に侵入してきたエウソンと、ゾーンでポジショニングしてからのボールキープしてワンツーするなんてプレーやドリブルで相手を引きつけてからのパスなんてこともあります。

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1番カルリーニョス自身が起こしたゾーン破壊は、札幌戦での3点目のシーンでしょう。わずかなスペースでターンし、仕掛けてからのゴールフィニッシュで締める。象徴的シーンでした。


【ピックアップクリップ】「カルリーニョス、左足でダメ押しの3点目。エウシーニョからボールを受けると、DFをかわして流し込む。」8.8 北海道コンサドーレ札幌@アイスタ

 

 

 

ゾーンに生まれた天使 高橋大悟

来シーズン戻って来ることが確定済みのギラヴァンツ北九州10番の高橋大悟ですが、彼も典型的なゾーン破壊者です。金子にカルリーニョスはゾーンでの受け手ですが、大悟は出し手になれる選手です。

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出し手としてゾーンにパスを出し、自らもゾーンに入って受ける。ゾーン破壊者として、人を動かし空間を作る。ゾーンを生み出してはゾーンを破壊する。かわいい顔しておいてやることはなかなかえげつない男です。

 

 

 

 

 

ここまで様々なタイプのゾーン破壊者を見ていきましたが、我がチームのトップオブゾーン破壊者こと後藤優介がここで登場です。

 

 

■ゾーン破壊神、後藤優介

本業はストライカーですが、ゾーン破壊においてプレーのバリエーションが豊富なのが後藤です。バリエーション豊富とはいえ、やっていることはとてもシンプルです。シンプルが一番難しいんですが、例えばゾーンでのボールの受け方では

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別のゾーンに動いてボールを受ける。これだけで

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相手のゾーンはビックリするほど壊れていく。その崩壊したゾーンで

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仕掛けていくことで相手のゾーンディフェンスが崩れていき、味方が動くエリアが生まれる。それによってさらに相手が動かされる。

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大外にオープンスペースが広がっていく。後藤のボールキープによってポジショナルプレー本来の狙いである、大外にスペースを作るという狙いが現実のものになります。ゾーンで受けることによるその場のゾーン破壊、そして新たなスペースが生まれる。やっていることに特別なことはありません。ただ、相手にとって嫌な位置でボールを受け、嫌なところに展開するだけ。これだけで簡単にゾーンディフェンスが崩れていきます。でもこのシンプルなプレーこそが難しい。そしてそれを実行できる選手もそんなにいないので、こういうゾーン破壊者の存在は、ポジショナルプレーにおいて貴重な存在なのです。

 

 

はい、今回はここまでです。ポジショナルプレーにおける相手守備陣形の崩し方、と題して3部作高生のつもりでやっていきました今回のプロローグです。戦術の話の前に、間で受ける、ゾーンを破壊する者から紹介していこうかなと。ポジショナルプレーにおいてどのスペースを使うか、どこのスペースでボールを受けるべきか、そのスペースで何をすべきか、は重要な要素で求められることです。

 

 

 

 

次回予告「ゾーンを司る:スペースを掴め」