豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

ブラジルに玉砕したコスタリカが得たものは何か

今回はコスタリカ目線です。

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コスタリカの守備

5バックは横いっぱいに、その前に4人が中に絞って中央を施錠。ガブリエル・ジェズスとコウチーニョからなる中央起点を消す。よってブラジルの起点は、サイド高い位置でネイマールとウィリアンが張り、そこに集める。

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ブラジルの崩しは、右はウィリアンがドリブルでカットイン。左はネイマールが縦へのドリブルorマルセロが中央に入ってインナーラップしボールを受けていく。

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ハーフスペースに進入を試みるブラジルに対するコスタリカは、中盤のブライアンルイスがウィリアンに、マルセロにはベネガスがしっかり付いていって、中央からの攻略は阻止。5-4のブロックという、中央とサイドとハーフスペースすべてをカバーする鬼畜守備陣形を形成しました。

 

コスタリカの攻撃

コスタリカがブラジルに勝てるスコアは1-0。後方に人数を掛けているため、大量得点は難しく、そうなると最少得点での勝利だけがコスタリカの現実的プラン。数少ない攻撃チャンスを確実に仕留めるためには、ブラジルのウィークポイントを狙い続けること。

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コスタリカがターゲットとしたのはマルセロ。ここに183㎝の長身ホアン・ベネガスをぶつけ、右サイドを起点。因みに前半のコスタリカゴールキックは全てここを狙っていました。

マルセロの辺りで起点を作れると、マルセロの裏のスペースにウレーニャを走らせ、ブラジルはそのケアとしてカゼミーロが左へ。

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次第にベネガスの空中戦はカゼミーロが担当する。そして、カゼミーロがいなくなった中央に左のブライアン・ルイスが中央に入り込みゴールを狙う。

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攻撃では横にスライドすることでスピードのあるわけではないブラジル守備陣を攻略にかかる。

 

コスタリカを崩したいブラジル

後半からレフティーのドグラス・コスタを投入し勝負に出たブラジル。これにより、ドグラス・コスタはハーフスペースに陣取り、右SBのファグネルが高い位置を取る回数が増えます。

ブラジルがコスタリカ崩しの狙いとしたのが、リベロとストッパーの間のスペース。

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ブラジルは攻撃の起点をハーフスペースに位置取るドグラス・コスタとマルセロにし、コウチーニョとジェズス、そしてパウリーニョにも狙わせ徐々にコスタリカを崩していく。

後半23分にパウリーニョに替えフィルミーノを投入。システムを4-1-4-1に変更し、リベロ脇にフィルミーノとジェズスを配置。

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ほとんど崩せているものの、最後の砦、ケイラー・ナバスを崩せず。しかし我慢強く攻め続けた結果ロスタイムに入りコウチーニョが先制点GET。さらにネイマールが追加点GETで2-0。ブラジルが苦しみながら勝ち点3を取ったとさ。

 

敗者が得たものとは

コスタリカはブラジル崩しに最善を尽くして、そして勝負に敗れました。同時にグループリーグも敗退が決まりましたが、カウンターの精度やアイデアは前回大会を上回るものであり、前回のベスト8は決してフロックではなかったと証明できたことでしょう。王国ブラジル相手に1歩も引くことなく挑み続けた勇者が得たものは、強さと勇敢を証明したという事実でしょう。

『砕かれたハリルホジッチ・プラン』から読み解く、日本がワールドカップで勝つ方法とは?

日本に『デュエル』は合わないのか?

2014年で、「自分たちのサッカー」というポゼッションサッカーを目指したが、全く機能せず世界相手に玉砕する結果に終わった。その後、世界で勝つためにハビエル・アギーレ、そしてヴァヒッド・ハリルホジッチを監督として招聘。特にハリルホジッチは『デュエル』というキーワードを用いて、世界に太刀打ちできる能力を身に着けようとした。

 

フランス語で「決闘」という意味を持つデュエル。それは個人だけではなく、組織として「戦術的デュエル」もハリルホジッチは求めていた。

 ドイツ代表の攻撃スクエアを潰しに行くSH・SB・DHは、ドイツの攻撃陣に自由を与えないデュエルが要求されています。それができてはじめて、人数的、状況的に受け手の準備が不十分なまま、ハーフスペースにボールを出してしまうというという事態へと、ドイツを追いやることができます。

(中略)

本当に、このような「正面衝突」が必要だったのか? アルジェリアにとって、個の力において自らを上回るドイツ代表のスター選手たちとの直接対決を避ける戦略の模索、採用という選択肢はなかったのでしょうか。

そのような選択肢はないのです。あったとしても二義的なものだったでしょう。なぜなら、ドイツ代表の戦術、やり方、その骨格を直接叩くことが勝利への最短・最善の方法だからです。なぜ、それが最短・最善なのか。骨格を叩くことができれば、コチラの手筋に対して相手が取り得る応手の選択肢を狭めることができます。強いチームであればあるほど強固な戦略・戦術的な骨格を備えており、だからこそそれを容易に別の骨格に置き換えることができないからです。

 

砕かれたハリルホジッチ・プラン 日本サッカーにビジョンはあるか? 著者五百藏容 発行星海社 53-56項より引用

それまで守備においては奪いどころを明確に定めず、前からのハイプレスを行ってはかわされるの連続であった日本にとって、戦術的デュエルは世界と対等に渡り合うためのキーワードであった。

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例えば、2010年の岡田武史体制では、中澤佑二田中マルクス闘莉王という屈強なCBを控え、ディフェンシブゾーンに引いて守り、足のあるウイングと本田圭佑のキープ力を生かした攻撃を繰り出した。前回大会は中盤をコンパクトにし、ミドルゾーンにプレスを集中していった。しかしハリルホジッチ体制では、相手によってプレスをするゾーンを変えており、アジア最終予選でのオーストラリア戦ではアウェーではディフェンシブゾーンだったが、ホームでは敵陣のミドルゾーンでプレッシングを行っている。

 

butani-sinju.hatenadiary.jp

 最終予選の対オーストラリア代表戦2試合の内容をそれぞれ分析すると、単にホームであるかアウェーであるかという条件以上に、おそらくW杯出場が決定するタイミングになるであろう二度目の対戦で確実にオーストラリア代表を叩き勝ち点3を奪う、そのために彼らの戦略・戦術の骨格に直接打撃を与える戦い方を温存しておく、といった、最終予選全体の流れを見据えたエリア戦略でもあったのではないかと思えます。本当にそうかどうかはハリルホジッチのみぞ知る、というところではありますが、もしそういった深謀遠慮の上での「異なったエリア戦略の駆使」であるならば、まさしく岡田~ザッケローニ以後に臨んだ、「多様なエリアを占領可能な戦略」と「状況に応じエリア戦略を変更できる柔軟性」を日本代表は獲得しつつあったといえるでしょう。

 

砕かれたハリルホジッチ・プラン 日本サッカーにビジョンはあるか? 著者五百藏容 発行星海社 87項より引用

 

西野朗の日本代表

初陣となったガーナ戦では、長谷部誠リベロに使った3バックを採用も攻守において機能していたかというと微妙な結果に終わり、ラインを下げて守ったスイス戦ではまるで歯が立たず、パラグアイ戦では一転、前からのハイプレスサッカーで香川真司乾貴士が躍動。西野体制下における「日本人にあったサッカー」にとって、中澤と闘莉王がいないチームにおいては今の日本チームに合ったスタイルといえる。

コミュニケーションの欠如という、これ以上解任理由に説得力ある言葉で西野朗にバトンタッチされたわけだが、ここ3試合で4年前の楽しい自分たちのサッカーが炸裂したというわけでもない。4年前のサッカーをやるにはいろんなところが劣化しており、4年前にそのスタイルで玉砕されたことを辛うじて覚えていたことだろう。西野朗に、ハリルホジッチのように完璧なプランニングができるとは思えないので、守備におけるプレッシングの位置は相手に合わせてというより、選手の特徴に合わせた形になるだろう。となるとパラグアイ戦で見せた敵陣でのプレッシングを中心としたショートカウンターが中心と予想。ハリルホジッチは相手を丸裸にすることで相手を機能不全としたが、どうやら自分たち主導での守備を敷くのではないか。

日本サッカー、その裾野でプレーする選手にとっての最高到達点である日本代表。ですが、ハリルホジッチの指摘する「デュエル」をはじめとして主に守備のプレー面で多くの問題を抱えてきました。それには次のような理由が考えられます。

  • キャリアのはじめからマンマークか、基準がバラバラで曖昧なゾーンとマンマークのミックスでプレーし続けている選手が多い。精密なゾーンマークの経験や、ゾーンマーク基盤のDFを行うために不可欠なカバーリングを組織的に行う経験に乏しい。
  • そのため、代表クラスでもゾーンDFの理解度が低く、人に強く行った見方が空けたスペースを組織的にカバーし、閉じるといったプレーを持続的に行えない。
  • 高い水準でプレーできる純粋なDHが不足している。
  • アンカーが必要となるシステムでプレーするチームが少なく、アンカーの適役が不足している。

既に既設した通り、現代サッカーでは、「ゾーンDFの精緻ま理解に基づいた、人とスペース双方に強く当たる守備」は高いレベルでプレーするには不可欠のものになっています。そういった守備を実践するためには、めまぐるしく変化する状況の中で周囲と連動しながらスペースを確実に消していくゾーンDFの習熟も、高いレベルのDHも必要ですし、高い戦術理解力で周囲を動かしながら守備をできるアンカープレイヤーもまた必要になります。そのすべてが日本サッカーには不足しています。

 

砕かれたハリルホジッチ・プラン 日本サッカーにビジョンはあるか? 著者五百藏容 発行星海社 162-163項より引用 

 育成面での問題もさることながら、現代表にもその人材のいない日本代表に、横綱相撲の守備をする、いや、でなければ守備が成り立たないチームにおいて、世界に勝つチャンスは果たしてあるのだろうか。

 

ジャイアントキリングを起こす秘策はあるか

初戦のコロンビア戦で1番気を付けなくてはならないのはハメス・ロドリゲス。さらに前回大会は負傷欠場したラダメル・ファルカオハリルホジッチなら、例えばアジア最終予選アウェーUAE戦で絶対的エース、オマル・アブドゥルラフマン完璧に消したときのような策を授けると思われるが、西野ジャパンではそれはさすがに無理で、ハメスにボールを渡せなければいいという考えで臨むだろう。

パラグアイ戦での日本の戦いは、香川、乾、岡崎慎司武藤嘉紀が最前線からプレスし、サイドにボールが来たところでウイングとSBがボールをカットする展開が多かった。

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 パラグアイの組み立ての精度はお世辞にも高いとは言えず、サイドでうまくカットできたが、ゾーンディフェンスやアンカー不在という問題を抱えている以上、奪いきれなかった事まで想定すると、その先にハメス、ファルカオ、ファン・ギジュルモ・クアドラードが控えていると考えると分は悪い。また引いて守るにしろ、フィジカルで世界に通じるのは吉田麻也くらいで他は未知数。それでゾーンディフェンスが基本としてなっていないとすれば、余程ゴール前に人が密集していない限り引いて守ることは自殺行為でしかない。

日本がジャイアントキリングを起こす条件として、自分たちのサッカーをやるならばハイプレスからのショートカウンターに全力を注ぐしかない。ハリルホジッチを否定した以上、ピッチを4分割して相手に応じたプレスができないのだからハイプレスに割り切るしか方法はないだろう。

 

ハリルホジッチ負の遺産なのか

 日本サッカーは、どうやらパスサッカーこそが目指すべきスタイルだと把握しているらしく、速攻を主体としていたハリルホジッチのスタイルを真っ向から否定してきた。現在の西野体制でも、デュエルを否とする練習、そして初陣のガーナ戦ではこれまでの3年間を積み重ねが跡形もなく消し去られていたことから、現場も同じ意見だということになるだろう。

 

しかし、デュエルというのは、世界相手に戦う以前にサッカーというスポーツ上基本的なプレーであって、合う合わないの問題ではない。また速攻を否定するのもおかしな話で、バルサでもまずは縦に速くボールを入れて相手を崩すことから始めていく。ポゼッションを高めるのは、速攻でゴール前までたどり着けなかった時だけだ。その点、日本サッカーは「ポゼッションのためのポゼッション」に終始してしまい、本来の目的を見落としてきている。そもそも日本サッカーはアンダー年代も含め、パスサッカーで世界相手に結果を残したことはあっただろうか。むしろそれこそデュエル重視のスタイルこそ結果を残している。ハリルホジッチのサッカーで日本が勝てるかは結局分からないままに終わった。だがハリルホジッチのサッカーが日本に合わないと考えるのは見当違いだ。日本が本気で世界に立ち向かうためにはハリルホジッチが植え付けようとしたスタイルを突き詰めることが近道だ。

ハリルホジッチが、ワイドからの崩しのイメージをサジェスチョンするときに「オブリック・ランニング」を強調していたことも、彼の指示が「縦に速く」 などという雑な物言いでなかったことをうかがわせてくれます。「オブリック・ランニング」とはくの字(逆くの字)の動きのことで、正対する相手の視界から一度外側に逃げながら、パサーとタイミングを合わせて内側に方向を変え相手の背後に入っていく動きを意味します。ひとつひとつのプレーに対するサジェスチョンとしては、「スペースに速く入れ」「背後に速く入れ」という戦術レベルでのサジェスチョンとは明らかに論理的に接続しています。

 

砕かれたハリルホジッチ・プラン 日本サッカーにビジョンはあるか? 著者五百藏容 発行星海社 192項より引用

 デュエルは、ただ1対1で負けないということでもなく、速攻は、シンプルに縦パスをバンバン送るということではない。あくまで戦術の一環であり手段に過ぎない。ハリルホジッチは本気で日本を強くしようとした。その灯は決して消えてはならない。世界に勝つためのヒント。それは既にハリルホジッチが提示している。

ポルトガルvsスペイン/これが世界だ!!

遂に開幕したFIFAワールドカップinロシア!!

 

グループリーグ初戦でいきなりのビッグマッチ、ポルトガルvsスペインです。

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ポルトガルのハイプレスとバルサ色消えたスペイン

立ち上がり、ペースを握ることに成功したのはポルトガル。4-4-2の3ラインで前から嵌めに行き、ついに守備がプログラミングされたロナウドがピケとラモスに、ゲデスがブスケツにマーク。このポルトガルの守備をモウリーニョはどんな目で観ているかは定かではないですが、ボール保持者ではなく残りの9人にマークを付くことで、スペインのレシーバーを消していく。

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ハイプレスによって高い位置でカットしたポルトガルがPKゲットでロナウド先制。早くもしびれを切らしたスペインはウイングのイスコとダビド・シルバが落ちてくる形でビルドアップに関与。かつてのピッチを幅広く使ったバルサのスタイルが消えつつある中で、組み立ての中心は左サイド。

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ラモスがボールを運び、アルバが幅を取る。中央でイスコとイニエスタがボールを受けポルトガルを左から押し込んでいく。

 

ブスケツの存在感とポルトガルを崩していくダビド・シルバ

左サイドに攻撃が集中するスペイン。ポルトガルも人数を掛けてきたことから右のダビド・シルバをトップ下に移行。右を捨て左からの攻撃を徹底する。

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特に後半からは左サイドにイスコ、イニエスタ、シルバの3人が揃うなど、その徹底ぶりはポルトガルを困らせ、サイドにアルバ、ハーフスペースに三銃士を置き、W・カルバーリョとペペをハーフスペースに留め、ゴール前はジエゴ・コスタとジョゼ・フォンテの一騎打ちになる状況に。

しかし、ナチョしかいない右サイドは、高速カウンターを十八番とするポルトガルにとって格好の餌食とされ、ロナウドに後半からはジョアン・マリオに起点とされる。しかしそこは世界一にサッカーIQを誇るスペイン。スペインでも1,2を争うIQの高いブスケツが世界の均衡を保つ。最終ラインに自らが入ることでピケを右サイドの門番にし、ナチョを高めに配置する。またナチョにもボール配給することでポルトガル右サイドを牽制。

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全てのエリアを支配したスペインは、セットプレーから2点目、そして左ハーフスペースでの鬼キープから逆サイドでノーマークの伏兵ナチョが逆転ゴール。流れからしても、このままスペイン逃げ切るか!っとおもいきや......。

 

クリスティアーノ・ロナウドレアル・マドリード=理不尽

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誰が取れるんじゃい!

 

普段のレアルでもそうだけど、試合の流れとか空気とかお構いなしに理不尽に得点を取り続けてるの何? たぶんラモスは対戦していておかしな感情になったことでしょう。いつだって点取れる人間兵器と化したクリスティアーノ・サイボーグ・ロナウドハットトリックで注目カードは3-3の壮絶な点取り合戦に終わったとさ。

ポジティブトランジションを見ていこう

とらんじしょんってなに~?

前回のゾーンディフェンスに引き続き、また新たなサッカー用語です。

まず「トランジション」という言葉。サッカーに限らず様々な業界で使われる言葉ですが、意味として共通するのが『切り替えと切り替えの間』。スイッチングとかそんな感じですね。今回取り上げるのは「ポジティブトランジション」ですが、ポジティブがあればネガティブもあるわけで、最初はそこから勉強していきましょう。

 

サッカーにおける切り替えというのは、ボールを奪った時とボールを奪われた時に起こります。まずネガティブトランジション。これはボールを奪われた時です。攻→守に切り替えることを言います。対してポジティブトランジションはこの逆で、守→攻でボールを奪った時を表します。

 

トランジションが重要視されてるわけ

10年前にペップバルサが爆誕して以降、時間を掛けずに1秒でも早くボールを奪うことが守備戦術においてトレンドとなりました。早くボールを奪いに行くことで相手の攻撃時間を削りシュートまで持ち込ませない→点を取られることはない、ということになります。そして、その進化系としてゲーゲンプレスが生まれ、またゴール前にバスを置かなくともしっかりブロックを築くことができるようになりました。ここまではネガティブトランジションの話です。ポジティブトランジションが重要視されるわけとして、ネガティブトランジションを重視しているのは相手も同じです。相手が早く奪いに来るならそれに対する攻撃へのスピードを上げなくてはならない。奪われる前に攻める。または相手をかわして攻撃を組み立てていく。現代サッカーが早いといわれる所以は、攻守両面でのトランジションが勝負を分けるからであり、1秒でも遅れた瞬間、敗北を意味します。

 

ゾーンディフェンスとポジティブトランジション

前回ゾーンディフェンスについてやりました。おさらいです。人にマークを付くのがマンツーマンディフェンスであればスペースにマークを付くのがゾーンディフェンスです。

 

ゾーンディフェンスは奪うためだけにあるのか

ゾーンディフェンスはポジショニングが重要であり、特にネガティブトランジションで後手を取るようでは成り立ちません。各々が適切なポジショニングを取っているとき、ボールを奪いましたとさ。さてポジティブトランジションで攻撃に移り変わるとき、ゾーンディフェンスにて取ったポジショニングは攻撃においても最適なポジショニングであれば、わざわざ動き直すこともなく攻撃に移ることができます。ゾーンディフェンスは何も守備だけではありません。同じポジショニングで攻撃にも役立つなら一石二鳥。果たしてゾーンディフェンスに挑戦中のエスパルスがポジティブトランジションではどうなっているのか見てみましょう。

 

 第14節 vs湘南ベルマーレ 4分

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 相手最終ラインから楔が入るところです。中盤は竹内河井石毛で中を固めています。

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 楔入りました。金子が戻ってきます。

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竹内河井で挟み込んで相手がトラップをグダりました。戻った金子がボールをカット。

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 カットしたボールは竹内へ。左サイドにはスペースがあり、速攻チャンスです。

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 竹内はダイレクトで石毛へ。松原はすでに走り出しているので、前線の2トップも含めれば、カウンター発動時にパスコースが3つあることになります。

 

DAZNの見逃し配信を観てもらえたらわかると思いますが、金子がカットしてから石毛にボールが渡るまでのスムーズさ。誰1人としてポジショニングを変えたり動きなおしたりすることもなく、竹内がダイレクトで石毛に出したことによる一切無駄のないトランジション。ことがスムーズに進んだことで、最終的にゴール前までボールを運ぶことができました。

 

同じく vs湘南ベルマーレ 20分

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後にクリスランのクロスからのハンド疑惑に繋がるシーンです。f:id:butani-sinju:20180531213259j:plain

全体が左サイドへスライドしていきます。

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ボランチに入れてきました。2トップがプレス。この時に竹内が身近にいた湘南の選手チェック。

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「やっぱり来た!」ということでインターセプトし、局面が「守→攻」になります。

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竹内のインターセプトをクリスランが拾い竹内へつなぐ。逆サイドの北川金子がカウンターチャンスと捉えスタートを切ります。

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竹内が粘ってサイドのクリスランへ。最後は相手の腕に当たってコーナーキックになりましたが、このクロスの時にはエリア内に竹内北川金子と3人が入っていたことを考えれば、1つ2つ先を予測して、各々の役割が明確で(クリスランがサイドに流れてクロス、北川金子がゴール前に入る)スムーズに事が進み、見事なショートカウンターが決まりました。

 

 

第15節 vs川崎フロンターレ 53分

ここまではショートカウンターのシーンなので、ここは奪ってから相手のプレスをかわすシーンを見ていこうと思います。f:id:butani-sinju:20180601214347j:plain

局面はこんなシーン。フロンターレが右サイドでボールキープ。エスパルス守備陣も左サイドに人数を掛けていく。

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サイドにキターーーー!ところで二見がカット。ここからフロンターレの素早いネガティブトランジションによってプレスが来ます。エスパルスはこのプレスに対応できるのか。

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 二見が運び1対1の状況に。斜め後ろで竹内がスタンバイ。さらに石毛とフレイレもいるのでサポート環境はできています。そして河井がスペースある逆サイドへの展開に備えて中央へフリーラン。中盤は切り替えられています。

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二見から竹内、そして石毛へ。フロンターレのプレスが襲い掛かってくる中、

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石毛からフレイレを経由して逆サイドのソッコへ。こちらには河井と右SBの立田がすでにスタンバイ。ソッコにボールが渡る時点でフロンターレのプレスが弱まり撤退していきました。

 

相手のネガトラに対応するためには、まずはセーフティファーストとしてバックパスを含めた少ないタッチでのパスワークで広いスペースあるところまでボールを導いていく。この時の注意点として、よほど相手のプレスがきつくない限りはロングボールは蹴らない。早いネガトラの狙いは高い位置でボールを奪いたいのはやまやまですが、ロングボールを蹴らせてボールを回収するというもの。蹴るということは相手の術中に嵌ることなので、なるべくショートパスでかわしていきましょう、あくまで無暗に縦パスを入れずに、まずはボールをキープし落ち着くことを最優先に。

 

 

ここまでポジティブトランジションを見てきましたが、ここまでのエスパルスはアップテンポな展開ではわりかしいいポジティブトランジションで素早い展開ができています。ベルマーレ戦やレイソル戦といった勝ちゲームはそんな感じです。しかし、サンフレッチェ戦や鳥栖戦みたいなローテンポで進むゲームでは、逆にポジトラまで相手に合わせる形で遅くなる。展開できない状況に陥ります。これが「持たされている」状況ですね。こうならないために、予め守備位置がそのまま攻撃位置にもなるというポジショニングを取ることが重要になるわけです。そして今のゾーンディフェンスというのはその攻撃についても設計できる仕組みになっています。

 

 

以上が今回のテーマであったポジティブトランジションでした。ゾーンディフェンスが完成していくにつれて、攻撃も良くなっていくと思うの心はこんな意味です。またトランジションは現代サッカーにおいてとても重要なキーワードなので、しっかり押さえておきましょう。

 

 

 

 

次回予告

開幕からの総括をしようか、ワールドカップが始まるのでそちら方面の企画をやるかで絶賛迷い中。

ヨンソン式ゾーンディフェンスの手引

ゾーンディフェンスとは?
サッカーの守備戦術には大きく分けて2つあり、1つは人が人をマークするマンマークディフェンスと、人がゾーンをマークするゾーンディフェンスです。

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1人1人に守備タスクを与えるエリアを設定。

一方のゾーンディフェンスは、相手の攻撃者に守備位置を操作されることはありません。守備者のポジションは味方の位置によって連動して決まる。まずボールがあって、そこにアプローチするファーストディフェンダーに連動しながら、セカンドディフェンダーサードディフェンダーと連なるように守備のポジションが決まっていく。

サッカー 守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論 著者松田浩 鈴木康浩 発行KANZEN 82項より引用

例えばサイドにボールがあれば

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横にスライドしてゾーンに穴が開かないように伏せる。そのボールが中に入ったら

 

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ボールが動くごとに選手個々の動きが変動し、距離感を保ちながらチャレンジ&カバーを徹底する。これが簡単なゾーンディフェンスの説明です。

 

ゾーンディフェンスを説明するって、実はすごく難しいです。日本国内でよく観られる守備というと、例えばボール保持している相手選手に対してプレスを仕掛けるときに、自身がマークしていた選手を離し、他の選手にマークを受け渡す、というシーンがあります。

 

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ただこれはゾーンディフェンスではなくマンツーマンディフェンスです。そこに人がいるからマークするという感じで、決して自分のゾーンを持って守備をしているわけではないんですよね。ゾーンディフェンスが見るのは人ではなくスペースです。相手ボールの動きに合わせポジショニングを取り、自分のエリアにボールが入ってきたら奪いに行くのがゾーンディフェンスです。

 

エスパルスの4-4-2とヨンソン式ゾーンディフェンス

昨シーズンから引き続き4-4-2のシステムであるエスパルスですが、4-4-2というシステムはゾーンディフェンスに適したシステムといえます。ピッチの105×68サイズをバランスよく人を配置するなら、横は4人は必要です。となると4-4-2もしくは4-1-4-1。しかし4-1-4-1となると前線に人がいないのでカウンターに素早く移行するのに2トップだろうと。

 

現在のエスパルス基本守備体型は4-4が横一線に並ぶ。開幕戦から数試合は2トップが守備のスターターとして前からプレスし後ろが連動する。

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相手が後方でビルドアップをしているとき、守る側として1番やってはいけないのが縦にパスを出されること。相手CBがボールを保持したときは2トップの1人がプレスし、相棒と中盤の4人が内側に絞り縦へのパスコースを消す。今季のエスパルスの守備では、CBから縦パスを出されるシーンがほぼない。ボールは必然としてサイドへ誘導されます。視野が180度になるサイドならボールタッチラインへ追い込み中盤はサイドへスライド。

全員でワイドミッドフィルダーのエリアにボールを誘い込むイメージです。というのも、相手の中央のセンターバックがボールを持っているときは、左右どちらのサイドにも逃げる場所があるので、真ん中にボールがあるときはプレスがかからないんです。だから、まず第一線の選手が“相手に突破されないことだけを目的にした守備”を敢行しながら、サイドへと追い込むことが重要になる

 

サッカー 守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論 著者松田浩 鈴木康浩 発行KANZEN 104項より引用 

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ゾーンディフェンスではこの相手サイドにボールを誘導して奪う。もちろん中への扉は頑丈に施錠して。

 

そこで、ヨンソン式でのゾーンディフェンスなんですが、開幕直後はハイプレスによる守備がハマっていました。このあたりはまだスカウティングされていなかったのと、ゾンではまだ甘いところはマンツーマンで対応するなど、そこそこ守備においては安定を図っていました。ですが、マンツーマンディフェンスというのはスカウティングされやすく、また広大なスペースを生んでしまうこともあり1年間ず~っとマンツーマンディフェンスで行くのは余程の守備での個の力が必要となります。特にウチみたいに河井&竹内という攻撃的な2ボランチを敷いている場合はマンツーマンを貫くのに限界があります。

 

ヨンソン式ゾーンディフェンスは、現段階ではリトリートによるものが基本です。中央だけではなくゴール前や付近のスペースも消す。まずは守備を立て直したい現段階では順序としては正解のルートを歩んでいるかもしれません。ではここで、現在のリトリート型ゾーンディフェンスについてみていきます。

現在のエスパルスがプレッシングをスタートするのは、ハイプレス時は2トップと2列目の4選手。

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相手が最終ラインで組み立てしてるときは基本マンツーマンです。相手ボランチにボールが入った時はf:id:butani-sinju:20180426222354j:plain

ウチもボランチが前に出て対応。ここでは前を向かせなければOKです。

ゾーンに移るのは自陣にボールが入る一歩手前。もともとリトリートなので守備位置は低めです。f:id:butani-sinju:20180426223454j:plain

中は締めているので、サイドの高い位置に出されることが多いですが、例えばエスパルス右サイド。本職ではない19歳CBの立田がいる右SBは狙われることが多いですが、その裏はソッコがカバーに入る。では本来ソッコいるべきポジションはどうなるかというと逆サイドのCBが中に絞るよりボランチが降りてくるパターンが多い。そのサンプルのちのち出しますが、CB絞れというより中盤速く戻ってこいと言われているんでしょう。で、カバーに入ったボランチの穴はどうするで、さらに人がスペースをカバーする。右サイドなら金子。

しっかりゾーンで守っているときは意外とこれができている。ゾーンディフェンスを始めてまだ数ヶ月ですが、とくに金子がゾーンディフェンスになじみ始めたのは大きいです。

ゾーンディフェンスは基本サイドにボールを振られます。まぁ、中央にズバッと縦パス通されるゾーンディフェンスはゾーンディフェンスではないですし。そこで辛くなるのが、誰がサイドでの受け手に対しファーストコンタクトを取るのか。そしてそれに伴うポジションの変動によるスライド。誰がどこにポジショニングを取りゾーンを確保するか。これは難しいことです。例えば、カバーに入る選手が1歩でもタイミングが遅れたらゾーンディフェンスは成り立たないです。また1人でも逸脱したプレーをしたらそれもまたゾーンディフェンスは成り立たない。ゾーンディフェンスはスペースを守る守備戦術なので、どこかに穴が開きます。2トップも含めて、勝手な行動は許されないのです。

 

ゾーンディフェンス進捗状況

では実際にサンプルを上げてみてきます。

第9節FC東京戦のシーンです。40分04秒から

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FC東京森重真人からチャンヒョンスにボールが渡るシーンです。エスパルスは左から右へスライドします。

 

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左SBの小川にボールが渡ると、エスパルスは金子がファーストコンタクト。FC東京は東が降りてきました。

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東がボールを受けて前を向く。中盤はスライドし縦パス封鎖する。

 

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東が持ち上がったことで河井が飛び出してプレス。金子がそのカバーに入る。

 

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東に縦への選択肢を消し、ボランチ橋本拳人も北川航也が消し、東の残された選択肢は森重に預け組み立て直すのみに。

f:id:butani-sinju:20180428224943j:plainボールを受けた森重は右サイドへ運ぶ。エスパルス中盤も左へスライド。北川にプレスを受けられた森重に対しFC東京は室屋成と永井謙佑がサポートに入るもゾーンを敷いているエスパルス守備陣形の前では数的不利&打開できるスペースがなく

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結果、キーパーへ戻すことに。第1段階成功。

 

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続く第2段階。キーパーからCB経由で橋本へ。クリスランと金子がプレス

 

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左SBの小川へ。金子がプレスし、

 

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バックパスし高萩洋次郎へ。

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その後はサイドの東へ。中盤が右へスライド。

 

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サイドからは崩せず、小川経由でもう1度高萩へ。その後のプレスは

 

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最後の1枚。ここで両チームのフィールドプレーヤー全員登場となりましたが、エスパルスの各選手配置ですが、逆サイドのケアしてる石毛と2トップを除けば、非常に密集しています。特に中央。もはやスペースなんてない。ボール保持した橋本の選択肢はリスク承知で裏狙うか、リスク承知で逆サイドの室屋を狙うか、リスク承知で2トップ控えるFC東京方陣へバックパスするかのどれか。ここまでのFC東京のパスワークはサイドチェンジ及びボランチに預ける横パスが中心です。楔は一切入れておらず、回せば回すほど選択肢が減っていく。最終的にスペース無く追い詰められる。

この後なんですが、橋本はリスク承知で裏を狙い、当然のようにカットされました。ヨンソン式ゾーンディフェンスは、最初はセオリー通りサイドへ誘導。その後は格選手間の距離を徐々に縮めスペースを消していきボールを奪う。「徐々に圧縮していこうぜ!」ゾーンディフェンスがヨンソン式です。

横と縦。360度の視野で互いの選手との適切な距離感を保てなければ、上手くボールを奪うことはできません。特にうまくゾーンディフェンスができない時は、ハイプレス時に後ろと呼吸が合わず前4人がプレスしてしまい、相手中盤にスペースを与えてしまう。その後は押し込まれ組織が整っていないからセカンドも拾えないなどなど。ゾーンディフェンスっていうのは難しいです。監督によってその形も違います。あくまで今回はヨンソン式ということで。

 

次回は守➡攻への切り替え、「ポジティブトランジション」について見ていきます。あっ、もしかしたら個人技が入るかな? そこらへんはお楽しみに

 

興梠慎三から学ぶ、クロスへの合わせ方

J1リーグ第8節、浦和レッズvs清水エスパルスより、前半29分のプレー

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右サイドからの攻撃。興梠慎三のマークには立田悠悟が付いている。百戦錬磨のストライカーの動きを中心に、いかにクロスボールに合わせられたのかを見ていく。

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興梠、前のスペース、ゴール前へのクロスボールを要求。ここから興梠の相手DFとの駆け引きが始まる。

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興梠は立田の前へ出る。この時興梠は立田の背後を確認。ちなみに興梠は背後の確認を5回している。

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5回目の確認でストップ

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右足に体重を乗せて切り返す動き。

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コースを急転回。立田の背後へ。

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立田の背後を取る。これにより立田の視野から興梠が消える。

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立田の背後を完全に取ったところで再びゴール前へ狙いどころは立田の前。

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クロスが上がると同時にゴール前へスタートを切る。立田は完全に出遅れる。

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視界から消える

相手DFとの駆け引きを制するために、相手DFの視界から消える。人間の視野で唯一認識できない箇所が背中。ココに入ることで相手のマークを外しパスを受ける。この動き方をプルアウェイといい、一流のレシーバーはこの動き方が抜群に上手い。

清水エスパルスである限り、レフェリーを批判してはいけない

我々が清水エスパルスである限り、どんなレフェリングが成されようともレフェリーを批判してはいけない。たとえ相手がFKを手にしたい故ダイブしてこようとも、ファールされた腹いせに報復していても、その判定が納得いかない結果になろうとも我々が清水エスパルスである限り、決してレフェリーを批判してはいけないのだ。我々が戦うべき相手はレフェリーでない。レフェリーに勝ったからと言って肝心の試合に勝てなければ、勝ち点3は手に入らないのだ。少なくともピッチ上では、ゴールのためにボールを蹴り、走り、デュエルで勝ち、そして勝利する。これだけでいいのだ。レフェリーと戦うという、このうえなき無駄な戦いに全力を尽くすべきではないのだ。

 

我々は清水エスパルスである限り、試合の結果に左右する重大なジャッジが下されたとしても、それに対していちいちレフェリーを批判するような器の小さいチームであってはならないのだ。なぜなら、ただでさえレベルが低いとわかっているはずのレフェリーに対してレフェリングを批判するということは、カレー屋に対して「このカレー辛いじゃねーか!」と当たり前のことを言うめんどくさいクレーマーと一緒だからだ。少なくとも、清水エスパルスはそうであってはいけない。