豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

清水エスパルス2020年振り返り その①

2020年が終わります。コロナ渦に左右され、過密日程に左右され、ポジショナルに左右され、ネト・ヴォルピいつ使われるん?に左右され、無事にシーズンを終えることができました。何よりも1人もコロナに感染することなく1年を終えられたのは良かったし、この成績で降格しなくて本当によかったと心の底から思えました。そこで、今季のエスパルスを1人ずつ振り返っていきたいと思います。40人近くいた最多登録人数チームをどうぞ!!

 

 

#1 西部洋平

40歳になってチーム最年長者になった永遠の若頭。今季はリーグ戦1試合に出場。あんまり記憶にないや。かつての若かりし頃は大きく派手なリアクションと不用意な飛び出しでひやひやさせながらもスーパーセーブで帳尻合わせてくることで許されてきたが、今はただ怖いだけでスーパーセーブは滅多に観られなくなった。その代わりにピッチ外ではいい兄貴分として貢献してきた。来シーズンもぜひ、さらに大きい鯛を釣っていただき、清水漁業協同組合にも貢献していただきたい。

 

 

#2 立田悠悟

CBに固定され、ついに最終ラインの柱として1本立ちした、なぜか身長を低くサバ読みした長身。セットプレーでも点が取れるようになり、高さでもカバーリングでも成長を見せた飛躍の1年となった。そして何よりもビルドアップ能力は国内トップクラス。右でも左でも短くても長くても精度の高いパスを出すことができ、自らボールを運ぶスキルも身に着ける。日本のピケ。SB真面目にやっておいてよかったね。ただポカがあるのもまた事実で、リスクを背負ってのプレーでもあるから大目にみたいが、そこまでピケに似なくてもいいわ。いつかは静岡国建国していただきたく、来年の東京オリンピック開催中にSNSで「俺は日本国民ではない。静岡国民だ!」「静岡独立万歳!」と投稿していただき、正真正銘の“日本のピケ”になっていただきたい。

 

 

#3 ファン・ソッコ

外国籍枠もあり、今年は割を食う形となるかと思いきや左SBとしてチームを救うとは本人も思っていなかったはずだ。あらためて足元も上手さは言うまでもなく、本職さながらのSB適応力を見せてくるなど、サッカーIQの高さを感じさせてくれた。ただ、やはり本職を使っていただきたいし、そもそも今年はレフティーが少ないという歪な編成のため、左SBはあくまで急造にすぎないコンバートだし、来季に向けてウィリアム・マテウスを補強するとならば今度こそ5枠に対し割を食いそうではある。でも、なんだかんだピンチには駆けつけてくれそうだし、貴重な傭兵枠として頑張ってほしいが、スペック的に傭兵であるのはもったいない。来年はどうなることやら。

 

 

#4 吉本一謙

今年で引退を発表した元祖傭兵。お疲れさまでした。さすがに10回もメスを入れていれば、満足にはプレーできないだろう。スライディングやヘディングの強さなど1対1の強さは、昨年からの僅かな出場機会でも感じ取ることは出来た。東京都小平市出身というまさにFC東京っ子ではあるが、田舎で引退を決意してくれた。静岡は眠れる町である。

 

 

#5 ヴァウド

去年のヴ〇ンデ〇ソンの幻影を完全に払拭してくれた鉄壁のディフェンスリーダー。線は細いが空中戦は強く、4点も決めているチーム内得点ランキングは堂々の第3位だ。オリンピックならば銅メダルだ。守備だけではなく組み立ても普通にこなせるなどハイスペックなCBであるのは間違いない。ただ、戦術が非常に変則的であったのでいろいろと割を食う形となってしまった。最多失点とはいえ直接かかわったシーンは皆無であり、まともに守る戦術では鉄壁の象徴にはなれるはず。3バックも唯一の本職なのに右サイドからオーバーラップを求められては裏を突かれて失点など個人としてはかわいそうではあった。大丈夫。僕のMVPランキングでは堂々の第3位ですよ。オリンピックならば銅メダルですよ!

 

 

#6 竹内涼

キャプテンとして年間通してチームを支えた。どんな監督だろうと最終的に使われているのはこのブラジル人だけだろう。FA権を取得したことで日本人扱いされているのはここだけの話。攻守のスイッチを入れては、チームを鼓舞する。ただ残念なことに、個人としてのネタはそんなにない。それだけ真面目に頑張ってきたということで、ぜひ障害をエスパルスで過ごしていただきたい。営業部、空いてます。

 

 

#7 六平光成

今年で退団が発表された汗かき役。本業のボランチで輝けたのは、レギュラーで使われた2年目くらいと、他のシーズンではなかなか本職で使われることなく、器用貧乏に使われてきた。でもすべての監督に使われてきたのもまた事実で、6人にはDFとして使われるなど、かつての大学NO.1MFも当時の自分に言い聞かせても信じないような起用法は改めてツキがなかったし、逆に言えばそれだけのポリバレント性はどの監督からも信用されてきたともいえる。降格から昇格と、ここまで支えていただきありがとうございました。次のチームでも頑張ってほしい。

 

 

#8 石毛秀樹

開幕前は左SBにコンバートされ、新生エスパルスの象徴として偽SBを全うしようとしたが、コロナ中断に大怪我をしては、復帰戦でもケガをし、そのままシーズンジ・エンド。このケガによる長期離脱は戦術上における想定外な出来事であった。おそらくもう偽SBとして使われることはないだろう。本来はウイングでクロスを上げるタイプであり、これまた器用貧乏としても使われそうではあるが、六平とは違い、使い方は絶対にあるはずなので、いつかは松崎しげるの隣というポジションをゲットしてほしいと切に願う。

 

 

#9 鄭大世

シーズン途中にアルビレックス新潟に移籍したベテランFW。半年でチーム得点王になるなど、その能力に錆は付いていなかった。ビックリバイシクルあれば、フィジカルで弾き飛ばせば、キムチを流行らせることもできる。現役Jリーガーの中で1番コシヒカリが似合う選手となった。ネタが新潟ネタしかない。いつまでも頑張ってほしい。

 

 

#10 カルリーニョス・ジュニオ

クラブ史上初の外国籍選手10番はその背番号に恥じないプレーを見せてくれた。10点は決め、ドリブルで何人も引きつけられしっかり守備するなど、負担をかけまくったがなくてはならない存在ではあった。個人的には今季の年間MVP。CFとして孤軍奮闘したが、やはり本職はウイングか。加入前はドリブルからのシュート、ゴラッソの連発と、そんなスーパーなゴールを決めてくれるのかと思いきや、半分はセットプレーからのヘディングゴールという、いや、凄いけど思ってたんと違うという5Gスマートフォン感を存分に味あわせてくれた。来季はもう少し負担を減らしてあげるから。そして、今季謎に包まれた礼儀正しいという噂のヴェクセイ選手をいつかは紹介してほしい。

 

 

#11 ジュニオールドゥトラ

今季で退団することになったブラジリアン侍。明らかにポジショナルプレーには合わず、守備も頑張るが組織というか個人として頑張っている感が強く、組織には合っていなかった。それでもチーム2位に6点を決めているが、それでもチームにあっているようには見えなかった。ただ、数字に出ているように能力あるのは確か。流れとは関係なく理不尽にゴールを決めていくあたり、1人レアル・マドリードを演じているようで見ていて清々しい。去年、6年ぶりに日本に帰ってきたというのにここまで日本を愛してくれたのだから、名誉日本人の称号を与えてもいいのではないか。ダメなら名刀・秋水をあげます。

 

 

#13 宮本航汰

長いJ2修行から戻ってきたハードワーカー。最初は偽SBとして右SBで起用されてきたがなかなか使われず、平岡体制に変わってからはボランチとして使われた。岐阜時代に大木さんに鍛えられたはずのパスワークは見られなかったが、長崎時代に高木さんから鍛えられたハードワークはチョイと見られた。たくさんの人に育てられた末っ子感が凄いが、来季も頑張ってほしい。修行前の芋くさい田舎っ子からちょっとチャラくなったけど、それは誰に育てられてきたものなんだ?

 

 

#14 後藤優介

大分からやって来たMr.便利屋。右足も左足も頭もエリア内もミドルエリアもドリブルからもパスを受けてのダイレクトもクロスからもセットプレーからもありとあらゆるパターンでゴールを狙ったが、ゴールが決まらない。本来ならFWとしてはあるまじき数字なのだが、如何せんゴール以外での貢献度が計りしえない。ビルドアップからスペースメイク、展開力、攻守のスイッチ役、ファーストディフェンス、ボール回収力。。。これらの能力がチーム随一なので、外すと組織が回らなくなる。年間通して振り返ってみると“戦術は後藤”だった。MVPランキングでは栄えある第2位です。来年はとにかくゴールを決めよう。センスだけなら日本代表クラス。

 

 

#15 金井貴史

1月に名古屋と契約更新したはずなのにやってきた。この時点でN(なぜ)S(清水に)K(金井)である。マリノスでモフ将と一緒にやっていたこともありN(なんとなく)S(戦術を)K(語れます)なのだが、そんなにフィットしてる感もなく、先発で出ては突然ベンチ外といったときもあるし、よく分からん起用ではあった。戦力ではあるが今季で退団。三十路でも笑顔が素敵な青年のような男でありN(日本の)S(さわやか)K(ここにあり)を静岡から示してほしいものだった。

 

 

#16 西澤健太

結局アシスト王になったんだっけ? アシストに関しては公式記録はないので何とも言い難いのだが、セットプレーは今季のエスパルスの強みでもあった。ホーム大分戦でセットプレー4発すべてを担当したそのキック精度は間違いなく脅威。セットプレーだけでなく他のプレーでも生かせばいいのに、なのだがモフ将は一貫して左サイドで起用。左だとシュートでしかその右足を披露できなかった。残念な使われ方ではあったが、平岡さんになってからは右でも起用。その右足でガンガンクロスを上げるというベッカム戦法で終盤は猛威を振るった。これモフの時にやってほしかったわ。でも中盤ならどこでもそつなくやってくれそう。

 

 

#17 河井陽介

あまり出番はなかったが、その戦術眼、高い技術でたまに来る出番でしっかりと役割を果たし、相変わらず河井マニアたちを唸らせる当たり、段々職人化してきた。だが彼の良さは、そのゲームコントロールでもなければ高いスキルでもない。奥さんがアナウンサーだということだ(情報提供者Y・N)。クラブ史上初という、アナウンサーと結婚というまるでプロ野球の世界を静岡の地に持ってきたことはなによりも評価に値することだ。サッカーだけがバンディエラではないというところを改めて思い出させてくれた。

 

 

#18 エウシーニョ

Mr.フリーダムは今年もフリーダムだった。もはや右SBの位置にエウシーニョを置く必要はないのであり、ポジションはエウシーニョなのだ。偽SBに最も合うはずなのだが、そのあまりにもフリーダムさに「そもそもSBですらないのでは?」「俺たちは前から偽SBをやっていた」「右SBなどというポジションをそもそも知らない」「SBは死語」と考えさせられてしまった。さて来季である。確かにエウソンはボールが納まる。ゲームメイクができる。攻撃が円滑に回る。だが、そもそもとしてチームに合っていない。軸として考えていいのかというとNo。またスぺ体質で年間数試合は欠場するから、いくらスペックが高くても相性は考えなくてはならない。南国に世界最高のスタッドレスタイヤは不必要なのだ。補強や枠を考えて、来季は最も正念場となるだろう。

 

 

#19 平墳迅

シーズン途中に藤枝にレンタル移籍も今季限りで退団。デビュー、見たかったぜ。

 

 

#20 中村慶太

チーム1のテクニックを持つドリブラーは、開幕からボランチで出場。パスセンスやドリブルをボランチの位置から仕掛けるなど、攻撃にリズムをもたらした。竹内とはまた違うゲームメイクで、途中出場からでも流れを変えられる貴重な存在であった。平岡体制では2列目でも起用。来季はどうなるのか。相変わらず上手い。相変わらず犬が好きすぎる。

 

 

 

ゴメンナサイ。今回はここまで。残りはまた次回!!