豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

サッカーとケガの話

今回は、前回の予告通り「サッカーとケガ」についてやります。エッ!?ちゃんとやるって?やりますよ!いろいろと「やるやる詐欺」連発してきましたが、今回はそんな皆さんの期待を裏切ってちゃんとやります!!
 
1ヶ月ほど前、現在ヴァンラーレ八戸に所属する市川大祐が、現役引退することを表明しました。引退理由としては、やはりケガでした。市川の場合、若いときから慢性的にケガに悩まされていました。今回は、そんな長年付き添ってきた膝のケガということです。
膝のケガっていうのは一生モンで、死ぬまで付いてきます。人間の治癒能力はすごいですけど、膝など関節部分は例外です。というのも、膝のケガというのはほとんだが靱帯です。骨と筋肉をつなぎ合わせる部分ですね。ここをやってしまうというのは、選手生命に大きく影響します。今年のエスパルスも、膝の靱帯をやった選手が2人いましたね。鎌田とデュークです。2人の場合は断裂ではなく、損傷なので少しは軽くなってますが、それでも全治は半年です。
 
靱帯の修復方法とは?
自然治療でもなんとかなるケースはありますが、基本的に手術です。どんな手術をやるのか。
例えば野球選手でいうと、肘の靱帯を損傷する投手が多いです。特にメジャーに渡ったピッチャーは多いですよね。それでどんな手術をするのかというと、皆さんも聞いたことがあるでしょう。「トミー・ジョン手術」です。その名の通り、トミー・ジョンという人が初めてやった手術だからこのような名が付いたわけですが、サッカーでも基本的にはこのような手術です。どんな手術かというと、損傷している部分を切除し、他から健康な腱を移植するという手術です。ピッチャーでは、利き腕とは逆の腕の腱だったり、お尻の硬い筋肉を移植してきます。その手術はネズミ(遊離軟骨除去手術)とは違うので、修復とリハビリに時間がかかります。松坂大輔藤川球児、そして昨年のダルビッシュ有もこの手術をして1年ほど離脱していました。アメリカの考えは、靱帯をやったら1日でも早く手術をして1日でも早く復帰するというのが普通です。トミー・ジョン手術の復帰確率が90%とかなり高いので信用におけます。
ちょっと野球を例に出しましたが、サッカーの場合もこんな感じです。鎌田とデュークもケガしたのが4月の上旬です。そして復帰したのが今月。ですがまだ膝にサポーターをしての復帰でしたのでまだ完全にプレーできるわけではありません。肉離れや骨折とは違い、完全に治るわけではないので正直怖いです。練習試合では45分できても、公式戦で45分はまだ難しいのが現状でしょう。練習試合と公式戦では、プレッシャーも疲労度も全く異なる環境ですので、ケガを抱えたまま試合に出るほどリスクあることはないのですから。

 

サッカー選手において、膝の靱帯を痛めるということは致命的なことです。選手生命を左右するケガです。サッカーにおいては、骨折やら肉離れやら、あとイライラするような違和感などありますが、引退まで追い込まれるのは靱帯系です。市川も何回も膝をやっているし、メスを入れてるので体にかかる負担は大きかったのだと思います。

 

市川大祐エスパルスを去って6年になります。そんなに立つんですね。時の流れは早いものです。エスパルス退団後の市川ですが、ヴァンフォーレ甲府水戸ホーリーホックにそれぞれ1年ずつ。藤枝MYFCに2年。そしてFC今治と八戸に1年ずつでした。しかし、まともにシーズンをフル稼働したのが水戸にいた1年ぐらいです。市川の体は、限界を超えていたのかもしれません。

確かスポパラだったと思うんですが、藤枝にいたとき、市川の現在を追うみたいな密着取材があったんですが、その時1人だけチームを離れて東京の病院に通院し、手術の話し合いをしているシーンがあったのです。薄々、このときから引退が近いのかもなと思ってしまう自分がいました。思えばエスパルスでの最後の方もケガでチョコチョコ離脱していました。膝のケガが完全に治ることはありません。この時点で限界を超えていたかもしれない......。

でも、それを信じたくない自分もいたのも事実です。だって、大ケガはもちろん、オーバートレーニング症候群とか、そういうのを乗り越えてきた“イチ”を知っているから。でもやはり体をごまかすことは出来なかったのです。

 

2010年に市川大祐戦力外通告を受けました。今考えてみると、市川がプレーヤーとしてエスパルスに残るということを考えたとき、果たしてこの先本当に戦力になるかといったら微妙だったのかもしれません。もちろん功労者であるのは間違いありません。しかし、健太体制が終わり、これからケガということに関してはナーバスになる外国人監督を迎えるにあたって、市川がこの先のエスパルスで幸せになれるかを考えたら、たぶんそうはならなかったと思います。そして、市川がJ1のプレーヤーとして相応しいコンディションを保てるかといったら、当時は「NO」という答えを出したはずです。高年棒ということもあり、戦力外通告という提示を出したのもやむを得ないことだったのかも(当時29という年齢だったし)。

 

市川のプレーヤーとしての人生は終わりました。お疲れさまでした。これからは第2の人生が待っています。クラブもフロント入りの要請をしたということもあり、再び清水を舞台にサッカーをやってほしいと思います。

 

 

逆に、伊東輝悦という鉄人を超えた化け物は凄いなぁと思う限りです。ケガせずに40超えて現役なわけですから。次のキャリアとしてどこでプレーするかは分かりませんが、ピッチの上でいつまでもボールを蹴ってほしいと思います。仮に引退したらサッカー業界から離れるかも。指導者をやるタイプとは思えないし。二川孝弘にならぶ、Jリーガー最高峰の無口ですので、どうするのかなぁ。登山が趣味だったから、プロの登山家にでもなるのかな。

 

次回は、各地で話題になったり行政を巻き込んだ問題にもなる「サッカーとスタジアム」についてやります。次回も詐欺りません。

サッカーとお金の話

皆さん、こんにちは。

我らエスパルスは、めでたく自動昇格の切符を手にしたことで、いち早くオフに入りました。いや~、よかった。なにが良かったって、プレーオフなんていう、いかにも心臓に悪い戦いをしなくても済むんですから。だって、柿谷でしょ山口でしょエスクデロでしょ矢島でしょ。昇格を賭けてこんな奴らとたった1枠を争うなんて、今考えたらゾッとしますわ。よかったよかった。

 

さて、そんな訳でエスパルスサポーターにとっては暇な時期になります。禁断症状出てもおかしくないです。なので、今オフはサッカーにまつわることをシリーズ化して記事を書こうと思ってます。第1回は「サッカーとお金」です。

 

サッカービジネスとは

その名の通り、サッカーによってビジネスを行うということです。エスパルスでいうと、左伴社長になって以降、清水、静岡という土地柄を活かして小口のスポンサー集め、過去最高の収益を記録しました。こんな感じですかね。

あと、来シーズンからJリーグの放映権が「DAZN」によって2100億という破格の額で売れました。これによってJリーグも分配金が上がったり、降格クラブの救済金を設けたり、あとCSなくなったりなど。CSはね、できる限りやりたくはないよね。日程面とかで選手にかかる負担は大きいし、1ヶ月ぐらいオフがズレ込むとかあるし。

 

話を戻しまして、リーグの発展のため、多額の放映権を手にして強化するという話は、世界に目を向けると、当然の話になります。例えばプレミアリーグ。ちなみに、イングランドトップリーグはプレミアですけど、その下、Jリーグで言うJ2をイングランドは何というか知ってますか? 「フットボールリーグ・チャンピオンシップ」って言うんです。おかしいと思いません?2部なのにチャンピオンシップなんですよ? ある意味、プレミアの誕生は現代のサッカービジネスにおいて基礎的なものとなり、当時は革命的でした。

プレミアリーグ誕生前は先ほどのフットボールリーグ・チャンピオンシップだったんですが、分配金が下部リーグのチームも含め、すべて均一でした。Jリーグは42くらいですけど、イングランドは100近くあるので、分配金は当然少ないです。なので、ビッグクラブと言われるチームでも、ビックリするほど少ない収益しかない。だから当時のチャンピオンズカップでもセリエAを筆頭に、イビチャ・オシム率いたレッドスターや、元祖銀河系軍団「キンタ・デル・ブイトレ」と呼ばれたレアル・マドリードなどから後れを取っていました。お金がなければスタジアムも古くなる一方なので、当時のイングランドのスタジアムはどこ行っても立見席ですから事故が多発。遂にはUEFAから国際大会の出場禁止令が出てしまうわけです。これではいかんということで、当時の1部にいたすべてのチームがリーグから離脱。新たにプレミアリーグが誕生したわけです。

プレミアリーグの放映権は、現在は「Sky Sports」が多額の放映権料を払っているほか、世界各地で放送されています。日本もJ spotsやNHKでも放送されてます。このように、以前では規制が多かったビジネスの面でも大きく変化し、クラブの収益のほとんどが多額の放映権料で占めているのが現在です。Jリーグのクラブの収益を占めているのは広告収入なので、その違いは大きく出ています。最近、楽天がトップパートナーシップを結んだバルセロナも、少し前までユニセフが入っていましたが、あれはスポンサーではなく、バルサユニセフへの大きな貢献をしているということで載せているだけです。そのバルサも収益のほとんどは放映権料です。少し前まで、リーガの分配金はバルサとレアルで全体の半分以上を占めるという歪な構造でしたが、現在はだいぶ変わっているみたいです。ということで、ヨーロッパのチームのユニフォームなんかには、実はJリーグのユニフォームほどスポンサーが入っていないんですね。スポンサー収入以外で十分やっていけるシステムなので、そんなにないと(そのスポンサー収入も1社辺りはとんでもない金額だと思います)。あとは外資系とか。

外資系参入が出たのでちょっと話しますが、スポーツビジネス、特にサッカービジネスが確立されていない日本では、今後は外資系の参入がカギになると思います。現在は緩和されていますから、株式すべてを購入なんてことはできませんが、海外の方がビジネスでも上手いので、Jリーグ発展のためには欠かせないと思います。そんな中でいち早く決めたのが、マンチェスターシティを筆頭とする「シティ・フットボール・グループ」はマリノスの株式20%近くを買い取りました。アジア、特に日本に目を付けたということで、国際貿易港でもある横浜のチームに目を付けたんだと思います。モンバエルツ招聘やアデミウソン獲得はこのCFGのパイプですから、影響は大きいです。ただ、ネガティブのことを言いますと、日本の文化と合わない可能性が高い。特に今オフのマリノスの状況を見れば一目瞭然です。荒れてます。CFGを説得できないから監督続投→選手反発なんていうことが起きることがあるわけです。CFGがマリノスにどれだけ本気なのかは分かりませんが、他にも、オーストラリアのAリーグメルボルン・シティやアメリカMLSのニューヨーク・シティと持っているので、今のところは実験的要素が強いのかなって思います。あと、Jリーグが完全なる参入を認めていないので、日産が完全に買収されるということもないです。ということで、現在はそんなに本気というわけでもなさそう。もし買収されたら、マリノスのチーム名からユニフォームからすべてが変わるのですが、外資系参入にはこういったリスクも伴うということも忘れてはいけません。

 

サッカー選手の年棒

プロ野球選手って、年棒を公表するじゃないですか。あれって、野球頑張ればこれだけ稼げるんだよと、夢をもたらすという意味で公表しています。しかし、果たして貰っている選手本人は本当に幸せなのでしょうか。

 

例えば、20代サラリーマンの平均年収は296万ほどとなっています。月収25万の計算です。対して、同じぐらいの年であるJリーガーの年棒は、いろいろな契約がありますが、B契約の上限は480万です。サラリーマンのほぼ1.5倍貰っています。これで、A契約になると上限がなくなり、要するに夢が持てる世界が広がります。現在のJリーグトップの年棒を貰っている選手が、確かガンバの遠藤だったと思うんですけど、1億は超えてます。2億はないかな。その中に基本給+出場給や勝利給があり、遠藤はじめとする知名度ある選手にはCMによる広告料やテレビ出演によるギャラも入ります。これは選手個人がそういった事務所とマネジメント契約を結べば話が入ってきます。よしもとクリエイティブ・エージェンシーだったりホリプロといった大手芸能事務所と結んでる選手も多いです。

ただそれは、先ほども言った通り知名度ある選手に限られます。そうではない選手はどうなのか。例えば、全国的知名度はなくとも、J1のクラブで主力として毎試合出場。年棒は3000万くらい貰っている選手がいたとしましょう。年齢は、そうですねぇ28ぐらいと仮定しておきましょう。毎年コツコツ貯金して、35くらいで引退しました。さてその時、口座にはどれくらい残っているでしょう。

28から35までは7年。その間ずっと年棒は3000万だったら、この7年で2億1000万稼ぐことになります。ウヒョ~、ですよね。夢ありますよね。でも現実、そんなに夢ないです。何故かというと、我々も払っている税金があるからです。それに生活費だってかかる。生活費やプライベートなんかを含めて半分抜かれての計算だと7年で1億500万。そこから所得税をはじめとする税金がきますから、いいとこ残るのは当初貰っていた金額の10分の1くらいです。要するに2100万。35で引退して2100万くらいです。還暦までの25年を2100万で暮らせと言われたら、あなたはどう思いますか?無理ですよね。家族もいたら、とてもじゃないけど暮らしていけません。キビシィ~。だから契約交渉というのはシビアなのです。「金に魅せられやがって~」という人もいますけど、プロであるのなら報酬がいい方に行くのは当然です。サラリーマンは基本的に終身雇用なので、やっていけますが、プロサッカー選手は引退の平均が24,5歳の世界です。1番脂がのる27,8歳で5000万でも少ないかなです。引退後、いわゆるセカンドキャリアを、クラブに拾ってもらう(社員もしくはクラブスタッフ)のなら完全に人生勝ち組です。監督としてやれたら、それは最高の人生です。だからこそ年棒を上げたいのです。契約にこだわるのです。今オフは各地で激震が走っていました。マリノス中澤佑二の年棒提示に前年のおよそ半額という数字を出して保留されました。当然です。暮らしもあるし、税金だって払わなくてはいけないし、なにしろこれまでのチームへの貢献は何だったのかと疑問を抱いてもおかしくはない。あと名古屋の永井謙佑が、夏までの契約期間から半年の契約延長、トータルで来季1年の契約を保留しました。これもサッカー選手ならではで、サラリーマンは基本的に終身雇用制ですから、余程のことがない限りクビというのはないです。ですが、サッカー選手は契約年数があります。例えば来年の1年は契約する保証はあっても、翌年また契約できるかという保証はありません。もし来年ケガでもし、翌年にクビになった。その時期に別のクラブが取ってくれる保証もない。どこも取ってくれないとその瞬間無職になります。だから複数年を要求する選手は多いんですね。こう考えると、クラブに雇用してもらうというより、株式会社Jリーグに生き残れるかのサバイバルマッチなわけです。年棒というのはシビアなもんです。

 

代理人という存在

サッカー選手や野球選手には代理人という存在がいます。特にサッカー選手の場合は、ルーキーイヤーから代理人が付いているケースも珍しくはないです。

代理人って何?

選手に変わってクラブと交渉するような人ですね。選手を宿泊だったり交通といったところをサポートしたりとか。あと、海外移籍するときにパイプを持っていれば契約を結んでくれる選手もいます。高原直泰の代理人であるトーマス・クロート氏や、中村俊輔の代理人ロベルト佃氏なんかは、そのパイオニアで、今の海外組もほとんどはこの2人と契約しています。

代理人の儲けとはというと、それは選手の年棒や移籍金なんかから手数料取るわけですね。マネジメント料として10%ぐらいとか。だから年棒交渉とかは、いかにして選手の良さをクラブにアピールするかがポイントになります。こっっっっまかいデータを用いたりとかですね、するわけですよ。例えばある選手の出場時間のチーム得点率とか、先発試合の勝率とか。代理人はビジネスとしてやっています。選手をクラブに売り込み、年棒を上げることができれば、会社の売り上げも上がります。当然といえば当然ですね。これが仕事ですから。だから、クラブとどうしても年棒の希望額と開きがあり、クラブに上げられる可能性がなければ、代理人は移籍という道を考えます。もちろん選手の要望も聞くとは思いますが、正当な額を出してくれなければ代理人の方で移籍の話を進めるケースもあると思います。ビジネスとしては失敗なわけですから。

 

このように、プロサッカーという世界は常にお金の問題が付きまとってきます。サッカー選手というのは、サッカーをビジネスとしてやるわけですから、それはそれでつらいでしょうね。

 

 

次回は、サッカー選手であるならば必ず付きまとう問題「サッカーとケガ」についてやります。

 

 

追記

なんか朝こんな目ん玉飛び出るかのニュースが出ていました。

headlines.yahoo.co.jp

いや~、バリバリシーズン中でバリバリレギュラーなイタリア代表正GKを本気で取れると思っていたのかなぁ。

サガン鳥栖に関しては、Sygamesがスポンサーになったことで金回りが良くなってますが、昨年のマガト招聘とか、いろいろとビッグネームを取ろうとしています。今オフも森重に始まり、小林悠などいろいろなところに触手を伸ばしていますが、全部フラれているという......。

お金あることはとても羨ましいんですが、今鳥栖がやっていることはクラブの規模に合う補強ではなさそうなんですよね。出す年棒とか破格だし。

今回プレミアの話題を例にしましたが、プレミアになり各チームの分配金が破格になりましたということはやりました。それは降格するクラブにも同じで、最下位のクラブでも100億ほどの分配金が入ります。それによって身の丈に合わない補強を繰り返し、大爆死するクラブが出ることが多くなりました。ある意味でプレミアリーグの功罪です。

例えばリーズ・ユナイテッド。今は聞きなれないクラブですが、プレミアになってから一時期大型補強をしてビッグクラブの仲間入りか、といわれていました。ところが、補強額に合わない成績を出してしまい、多額の負債を抱え主力の大量放出をせざるを得ず、降格してしまいました。鳥栖がここまでなることはないと思いますが、現有戦力のこととかいろいろ問題が出てきそう。主力が今年も放出されてるみたいだし。身の丈っていうのは大切です。

エスパルスの優勝条件を振り返ろう

さぁ皆さん!!

 

遂にこの日がやってきました!!

 

この日っていうか、来る11月20日が、今シーズンのJ2のレギュラーシーズン最終節です。何もかもがこの日に決まります。この日を前に、我らがエスパルスは2位と高順位についています。降格を除くすべての可能性がありふれている希望に満ちた順位です。

 

では上位3チームの成績を見てみましょう。

 

      勝ち点 得失点差

  1. 札幌  84   +32
  2. 清水  81   +47
  3. 松本  81   +29

首位の札幌とは勝ち点3差です。札幌が負け、エスパルスが勝てば追いつきます。得失点差では圧倒的優位なので、お互いが仲良く勝ち点84に並べばエスパルスが上に立ちます。優勝するにはエスパルスが勝つことと札幌が負けることが絶対条件です。というかそれしかありません。

その札幌ですが、最終節は金沢と当たります。絶賛残留争い中の金沢と札幌ドームで最終戦を行うのですが、さて、その札幌は直近5試合は2勝3敗です。崩れつつある中で最後は金沢です。金沢も残留争い真っ只中なので一筋縄ではいかぬ...はずです。信じましょう。

札幌の最終節情報ですが、主力の福森とジュリーニョが出場停止です。特にこの2人はセットプレーのキッカーですので、得点の半数近くをセットプレーで占める札幌にとっては痛手です。これはひょっとしたらひょっとしたらです。でも、金沢も金沢で札幌のゴールに決められるかというとわかりません。祈りましょう。

 

一方で、エスパルスにとって最悪のシチュエーションは、3位の松本に最後の最後に抜かれてプレーオフ回りすることです。

得失点差がかなり空いているので、エスパルスが勝てば99.999999%自動昇格が決まります。その代わり、引き分けor負けの場合は、松本の結果に左右されます。

 

そんな松本の最終節の相手は横浜FCです。前回対戦となった2節の試合は2-0で松本が勝ってます。松本は前節町田に負けるということがありましたが、今回はアルウィンなので、横浜FCにとって奇跡的なことが起きるかと言ったら分かりません。あるとしたら、横浜FCは松本と似たようなタイプの札幌に勝っているということぐらいで、「奇跡よ、再び!!」なんて思いは通じるかどうかわかりません。

 

しかし!!

何がともあれ、最終戦でエスパルスが勝てばいいわけです。まずはJ1復帰です。自動昇格の切符をゲットです。POは嫌です。ここまできて、セレッソとか、京都とか岡山とまたやるなんて嫌です。勝ち点80取って昇格できないなんて理不尽極まりないことです。

 

僕の中では、今季のJ2で昇格に値するチームは札幌、清水、松本の現トップ3しかないと思うので、自動で上がるかPOで迂回するかのどちらかになる運命の決戦になります。

とにかく、徳島に勝ちましょう。とにかく自動昇格の切符はゲットしましょう。そしてあわよくば、J2のシャーレを手土産に持って帰れば最高です。J1に帰りましょう!!ニヒヒヒヒ。

松原后の行く道

■大きな可能性、大きな不安

このブログを見てるであろう9割の方はエスパルスサポーターだと思うので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。先日、「Jリーグサッカーキング」でエスパルス特集が組まれたことで、これに先立ち、ニコ生でエスパルスの選手が次々にゲストとして出演し、いろいろと語ってくれた番組がありました。その番組の最初のゲストとして出演したのが、鄭大世と松原后です。

 

テセはよくTwitterとかいろんなところで、「松原のクロスがー」とよく言ってます。その通り、クロスボールに関しては本人も自覚していますが、精度がいいかというと、はっきり言えば悪いです。それで、松原のクロス時によく見かける光景がこんな感じ。

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このように、1試合に1回はテセが松原にキレます。まぁこのクロスを上げられたらキレるわなぁ。

 

因みにニコ生ではテセが松原のクロスの問題に対して

「俺はCBとCBの間で何度も何度も動きなおして、やっとポジションを取っているのに、上がってくるクロスは全部ニアで跳ね返されるんだよ」

と言ってます。だいたいこんな感じです。それでニアでクリアされるクロスってのがコレ。

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これにはテセも唖然としてますが、これが現在の松原のクロスです。ただ、稀にすんげえ~クロスを上げることがあります。例えば8月の横浜FC戦で見せた白崎へのアシストとなったクロスとか。

 

そんな中で、テセのツイートにこんなのがありました。

 鄭大世 정대세 Chong Tese ‏@ChongTese9 10月8日
松原にこういうクロスをいつも口すっぱくいうんだけどねー

 このツイートにYoutubeの動画も張られていましたが、韓国代表のヨム・ギフンですね。左利きのウイングです。日本も日韓戦ではよくやられました。それでこの動画なんですけど、テセが言う、松原に参考にしてほしいクロスってのが、

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昨シーズンのACL水原三星VS柏レイソル戦から。テセが左サイドでボールキープしてから

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中でヨムギフンが合わせるという、このクロス精度の高さ!!

もそうなんですけど、松原に見てほしいのはこれもそうだと思うんですが、やっぱコレ。

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左サイド深くでヨムギフンがキープ。中にはテセがいます。

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クロスを上げます。テセは赤丸のエリアを狙う。ヨムギフンもそこを狙う。

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ドンピシャ。上手いわ。さすが長年韓国代表の左サイドを引っ張っていたほどの選手です。

このクロスの一連の流れも、先ほどの群馬戦でテセがキレたところとかもそうなんですが、テセは相手CBとCBの間でポジションを取ります。合わせられたら1番いやらしいところですね。36節のツエーゲン金沢戦の先制ゴールも、テセは相手CBとCBの間でポジションを取って点を決めています。

それでこのクロスですが、見事にテセにピンポイント。ボールスピードはもちろん、注目すべきは、途中でカクンとボールが落ちるんですね。それで相手はよりクロスに対しての対応がしにくくなるという。この落差あるクロスボールをテセは求めているんだと思います。

 

■松原后のディフェンス

ニコ生に戻ります。

テセ&松原の後に浩太&角田が出てきました。それで、冒頭で松原の話題が出たんですけど、角田曰く「DFなんだからそんな上がらず絞ってくれ」というのが本音みたいです。今のエスパルスは、白崎を中心に左サイドの攻撃が好調なんですが、この時白崎が中に入る→松原上がる→竹内が下がり組立、というのが一連の流れです。これがストロングポイントなわけですが、一応一定のリスクを背負ってるわけで、松原の後方にいる角田のカウンター処理に対する負担というのは掛かります。だからそんなに上がるなということなんですが、最初のころは結構上がってました。それで裏をやられるみたいな。しかしここ4試合連続で完封している中で、松原もあまり上がってないかなとも受け取れます。そこで今度は松原の守備を見て見るのですが、個人の守備の技量を図るというのは難しいです。守備のシチュエーションっていうのはケースバイケースなので、「これはやっちまったな」とか「これはしょうがない」というのもあります。なので今回は松原が構えている状態での守備を見てみます。

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手前の2番の選手にボールが入りました。松原との1on1ですが、裏に抜ける選手がいます。さぁ、どうするか。

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ここで縦のパスコースを切ります。裏に抜けた選手には誰も付いてませんが、松原がコースを切っているので出し手が上手くなければ出てくることはありません。

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結局サイドチェンジしました。

このような対応はできるので、個人の守備能力はそこそこなのではないでしょうか。本当の1on1になったときとかは、白崎が全力で戻ってくるので、相手に歯止めを掛けておけば大丈夫です。

もともとフィジカルがある選手なので、簡単に競り負けることもないかなとは思います。初期はあっさり抜かれることもあってことは否定しませんが、良くなってると思います。

 

■生き残れるかは本人次第

ニコ生でテセとのトークの最中、松原は「目の前に相手がいると抜きにかかってしまう」と言ってました。そう言えば、彼のアーリークロスとかあんま観たことないかも。確かに松原のプレーの特徴に、強引に抜きにかかるというのは多々見られます。それで抜き切っちゃうとか。このプレーにテセは「それは若さだから」と一応容認していたようなそうでもなかったような。でもこのプレーは武器です。SBの選手にしてはリスキーなプレーですけど。ガンガン行けるのは長所なので続けていくべきです。

先日、こんな記事がありました。

headlines.yahoo.co.jp

かつて同じ背番号25を背負ったSB市川大祐を追い抜く存在になりたいとの記事です。

思い返せば、若い頃の市川も今の松原みたいに強引にドリブルしかけていたような印象なんですけど、経験を積んだことで健太エスパルスの頃はシンプルなプレースタイルになっていました。市川のプレーでよくあったのが、中央でフェルナンジーニョヨンセン兵働昭弘といったキープ力ある選手が溜を作ることでサイドにスペースを空け、そこに走りこんだ市川がダイレクトで入れたり、ワンタッチでかわしてクロスというのがあります。

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テセが言うように、今松原がガンガン仕掛けられているのは若いからというのはあると思います。SBというのは相手に1番狙われるポジションです。背負えるリスクは最小限です。長続きするにはプレーをシンプルにしていくというのは必要なことなのかもしれません。またフィジカルもあるわけなのだから、守備を重視するプレースタイルというのもあります。今のプレースタイルを長年続けていくのは、今だからこそできるのであって、長いスパンを考えるとSBとしては難しいです。若干20ながらプレーヤーとしての分かれ道に来ています。でもある意味20歳でこの峠を迎えるというのは、成長スピードが速いからともいえるわけで、それだけ可能性があるということです。例えばレアルマドリードのマルセロみたいに、攻撃しか能がないというプレースタイルではない。だから大きな期待もあり不安もあるのです。

 

最後にもう1回テセの言葉を使います。

まだ若い選手です。ですが課題が大量にあるというのも事実。3年後、松原后がこの世界で生き残っているかどうかは本人次第。ポテンシャルはあるわけなのだから、今後どのような成長をしていくのか見物です。

J1にオススメ! J2有望株紹介

今回はこれまで対戦したJ2チームの中から、J1でもやりそうな活きのいい選手をそれぞれ1人づつ紹介します!!

 

北海道コンサドーレ札幌 DF福森晃斗

オッサンの活躍が目立つ札幌だが、若手も実はたくさんいるということで、売り出し中のレフティを挙げました。川崎からのレンタルっぽいから、今季の活躍によって、来季新体制になる川崎に戻る可能性もあるけど、たぶん残留するのではないかと。SBが主戦場でありながら3バックの一角で堅守を支える。また、左足からの精度の高いセットプレーも魅力的。


【ベストゴールノミネート】福森 晃斗(札幌)「2016 J2リーグ 第5節」

 

モンテディオ山形 DF高木利弥

ご存知、アジアの大砲サラブレッド。ただプレースタイルは全く異なり、攻撃的なSBという印象。左足からのクロスボールは魅力的。守備に難あり。レフティ葛藤状態が続くJリーグの市場なら、人気を集めるかも。

 

水戸ホーリーホック MFロメロ・フランク

今季、保有権を持つアルビレックス新潟からレンタルにて復帰した馬力満点のMF。サイドでは運動量を活かしたプレーや、中央ではパス捌きを行うなど、ポジションによってカラーを変えることができる選手。保有権先の新潟は外国人枠が埋まっているものの、来季の枠増員もあって復帰させる方向もあるが、もう三十路なので取るなら今が1番の時期。

 

ザスパクサツ群馬 MF瀬川祐輔

売り出し中の若手No.2。大卒ルーキーにしてチームのエース格。シーズン前に大宮に移籍した江坂枠にすっぽりハマった。シーズン後の移籍市場の目玉候補

 

ジェフユナイテッド千葉 MF町田也真人

これまで通算1得点だったのが、今季はここまで10得点。得点力に磨きがかかった。166㎝と小柄ながら、それを運動量とポジショニングセンスでカバーする。


【ベストゴールノミネート】町田 也真人(千葉)「2016 J2リーグ 第23節」

 

東京ヴェルディ DF井林章

ヴェルディでキャプテンを務めるDFリーダー。179㎝とCBにしては小柄だが、それを補えるほどの対人の強さがある。今季ここまで4得点と、セットプレーでの得点力も魅力。


【ベストゴールノミネート】井林 章(東京V)「2016 J2リーグ 第10節」

 

FC町田ゼルビア DFカルフィン・ヨンアピン

別に知ってる選手選んだっていいだろ!! ご存知サイボーグのような個の力でボールを奪取できる反則級助っ人。もう三十路です。今ならお買い得。左足のテクニックも健在。SB、CB、ボランチと様々なポジションで高クオリティを魅せる。

 

横浜FC FWキング・カズ

集客力上がりまっせ。衰えてる衰えてる言っときながら、来ればみんな見に行くんでしょ? 先生知ってます。だって日本中誰もがこの男好きなんだもん。

マジメに戦力的なことを言うなら、同じFWのイバ。モロッコ系ノルウェー人で、今季ここまで14得点。190㎝という長身も魅力。


【ベストゴールノミネート】イバ(横浜FC)「2016 J2リーグ 第32節」

 

松本山雅FC GKシュミット・ダニエル

売り出し中の若手No.3。日本代表合宿にも召集された大型GK。保有権はベガルタ仙台。仙台のGK事情も複雑になっているので、来季は戻るのでは? セービングの能力はリーグ随一。足元も平均並み。

 

清水エスパルス No Player

売れるような選手はいません。どうぞお引き取りください。

 

ツエーゲン金沢 MF熊谷アンドリュー

マリノスからレンタル中。長身ゲームメーカー。ハイライトは35節の絶妙スルーパスでのアシスト。あれだけで金払う価値がある。


【ハイライト】ツエーゲン金沢×レノファ山口FC「2016 J2リーグ 第35節」

 

FC岐阜 MFレオナルド・ロシャ

岐阜のNo.10。7月の対戦では1番脅威になっていた。スキル的にはJ1でも十分通用するが、運動量と守備に難あり。まさに彼のためのチームを作らないと輝けないと思う。ザ・キング。

 

京都サンガFC MF堀米勇輝

売り出し中の若手No.4。左足からの正確なボールでチャンスメイク。今季はここまで7得点。京都の攻撃陣を引っ張る。


【ベストゴールノミネート】堀米 勇輝(京都)「2016 J2リーグ 第23節」

 

セレッソ大阪 MFソウザ

いい選手。レベルだけ見ればJ1にいてもおかしくはない。ただ自由に動き回る習性のため、しっかり歯止めを掛けておかないと大混乱を引き起こすことになるが、そこそこいい監督ならなんとかできるだろう。

 

ファジアーノ岡山 MF伊藤大介

矢島、岩政の陰に隠れているが、この選手もなかなかのモノ。小柄だが、豊富な運動量で中盤をかき回す。岡山の中盤の核。

 

レノファ山口FC MF庄司悦大

レノファ山口の司令塔。あのパスワークを操っている。中盤の底から絶妙なスルーパスを通すこともあれば、流れを変えるロングフィードもある。取るなら今のうちのお買い得商品。

 

カマタマーレ讃岐 MF仲間隼斗

売り出し中の若手No.5。今季は開幕から3試合連続ゴールを決めるなど、7得点をマーク。一瞬のスキを逃さない飛び出しやドリブルが持ち味。

 

徳島ヴォルティス FW渡大生

売り出し中の若手No.6。ここまで8得点をマーク。飛び出しだったり、身長の割には競り合いも強いかなという印象。

 

愛媛FC FW瀬沼優司

取るんだったらちゃんと金払ってね。

 

ギラヴァンツ北九州 MF風間宏希

ご存知、風間家長男宏希。北九州の攻撃をリードする存在。だいぶ花が咲いてきた印象。課題を挙げるとすれば守備か。

 

V・ファーレン長崎 FW永井龍

今季の移籍市場の目玉候補セレッソでの出場機会が少なかったことで移籍したが、これが大当たり。一時は得点王争いでもトップに立った。スピードを生かした突破が持ち味。180㎝と身長もある。


永井龍-Ryo Nagai 2015-2016(V.ファーレン長崎)才能を開花させたゴールゲッター

 

ロアッソ熊本 MF清武功暉

セビージャ&日本代表清武弘嗣の弟。つまりブラザー。テクニックは申し分なく、チャンスメイクに関してもJ2では群を抜く。タイプ的にも兄にクリソツ。確か鳥栖からのレンタルだったと思うが、鎌田がいる現在の鳥栖に清武のポジションがあるかというと多分ない。だからこのまま残留か、別のチームへ移籍かのどちらか。移籍市場でも注目株。


【ベストゴールノミネート】清武 功暉(熊本)「2016 J2リーグ 第35節」

 

ハイプレスとゾーンディフェンスから見る、攻守の両立方法/ポゼッションは永久に不滅

■攻守の一体化

現代は、とてつもないスピードで進化している。

つい最近発売されたと思っていた携帯電話は、今はスマートフォンとなり、SNSが発達している中で、メアドを交換する人はみるみる減っているし、今話題のポケモンも、初代は150匹しかいなかったが、20年経った今は800近くの種類がいるのだ。

 

サッカーだって同じ。アリゴ・サッキが流行させたゾーンディフェンスは、今やハイプレスの一環として大きく進化している。イタリアのカテナチオは死語となり、バルサが猛威を振るった圧倒的なポゼッションは、10年も経たず萎んできている。イングランドの放り込みサッカーなんてプレミアでも観る機会は減った。

 

現代サッカーの特徴は「攻守一体」。10年前まで、FWがこれほど守備を要求されたことはあっただろうか。CBやGKに足元を要求されるなんて、そんな常識は存在しなかった。どのチームも中盤をコンパクトにするのはセオリーであり、少しでも隙間があれば、そこを徹底的に突いていく。だから、奪われた瞬間に相手を襲い掛かるかのような守備を行わなければ、次々と失点をしていくのだ。

攻守分業の時代は終わった。選手個人個人に、与えられた仕事以上のタスクが求められるようになったのだ。

 

 

■攻撃のための守備

サッカーは、基本的に自軍の最終ラインと相手最終ラインの間でプレーする。オフサイドというルールがある以上、限られるエリアはピッチの3分の1程度しか残らない。

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ボールが存在するエリアは、基本的にこのエリア。現代のゾーンディフェンスは、このエリアの中で構成される。だから、ボールが存在することのないエリアを気にすることはない。その部分は省略していい。

日本でもCSで放送されている「バルサTV」という番組がある。その特集で「リメンバー・ボス」というバルセロナの歴代監督にスポットを当てたドキュメンタリーがある。歴代最長の8シーズンを率いたヨハン・クライフは、3回に分けて放送されていた。

(中略)

戦術メインのインタビューなので、インタビューは緑色の戦術板を用意して臨んでいた。戦術板というより、ピッチが描かれていた緑色の布だった。その上に、選手の代用となる丸いコマをのせて使うわけだ。 ところが、話が始まるや、クライフはテーブル上の戦術板ならぬ戦術布を手前に引き寄せ、その結果、ピッチの3分の1ほどがテーブルから垂れ下がってしまった。

冒頭からクライフらしくて可笑しかったのだが、ここに彼のフットボール哲学が表れていたといえるかもしれない。

使うつもりがないのだ、ピッチの3分の1は。

 

サッカーバルセロナ戦術アナライズ 最強チームのセオリーを読み解く 著者西部謙司 発行KANZEN 51項より引用

 

 

ハイプレスというのは、高い位置からプレスをかけるという意味で使われている。しかしこの表現は少々誤解を生むかもしれない。ハイプレスを正しく表現するならば、高い位置からのプレスではなく、速攻を繰り出すための前向きな守備といった方がいいかもしれない。例えばゲーゲンプレス。ユルゲン・クロップが開発したハイプレスは、欧州のメガクラブを相手に存分に威力を発揮した。

ゲーゲンプレスは、ボールを失ったその瞬間、ピッチ上の選手で相手に襲い掛かり、ボールを奪取する方法だ。相手からしたら、ポゼッションで攻められるよりも恐怖を感じるかもしれない。

プレスについては、クロップは攻撃の道具として設計している。クロップはプレスを「本能的な衝動」と捉えて鍛えている。十分に練習すると選手たちは、相手のサインや動き、決断を見抜けるようになり、いつ連携したプレスをスタートするかを理解するようになる。ターゲットになるのは相手のCBもしくはセントラルMFのことが多い。この集団のインスピレーションを彼は「衝動」と呼び、選手たちに熱中するような方法で教える。「衝動」は個別の守備練習ではなく、プレーの一部であり、攻守の一部だった。

「衝動」の一連の動きを説明するためにクロップは、オオカミの群れに例えた。捕食者は本能的に群れの中で最も弱いものを知り、全員で追いかける。様々な方向から1人を狙う。それが相手からボールを奪おうとするときの手順だった。“爪で引っ掻く”ことで相手CBのポジションを失わせ、ボールを奪えればマークを外しペナルティエリア内で2~4人でシュートまで持ち込むよう指導していた。こうしてドルトムントブンデスで最もエリア内シュートからの得点が多いチームとなった。

 

モウリーニョvsレアル・マドリー「三年戦争」 明かされなかったロッカールームの証言 著者ディエゴ・トーレス 訳木村浩嗣 発行ソルメディア 290項より引用

 

 

クロップのドルトムントブンデスで猛威を振るった理由は、ブンデスの日程面での条件が良かったから。Jリーグと違って秋春制であることもそうだが(夏にシーズンを行うJリーグでゲーゲンプレスは無理)、ブンデスは1月にウィンターブレイクが設けられており、そこでリセットすることができる。クロップがプレミアでは通用しないと議論になっていたが、あれだけ体力の消耗が激しいスタイルでプレミアを戦うのは難しい。プレミア伝統のスタイルとの相性もあるだろうが、1番は年末年始の過密日程。この時期、普通に中1日とかの鬼日程が組まれているため、スタミナが持たないというのが1番の理由。去年はよくやった方だと思うけど。

話を戻して、ゲーゲンプレスはコンパクトな陣形であればあるほど強力性が増していく。守備のための守備ではなく、攻撃をするための守備なのだから、奪った後の速攻にも厚みが出てくる。反対にデメリットは、連動していなければいないほどボールウォッチャーになりやすく、素早いサイドチェンジで崩されやすい状況が生じるからだ。クロップは攻撃のための手段としてこのプレスを取り入れたことから、あえて相手にボールを保持させ、自らアクションすることでボールを奪うという方法に至った。

クロップは、ボールを持たせるとRマドリーが硬直してしまうことに気がついていた。ダイレクトなプレーを実践するRマドリーは同じやり方で対戦されると無力化する。彼は選手たちにグラウンドとボールを譲って主導権を渡すよう命じた。試合後の統計には、通常ならサッカーの健全さを表すものの、モウリーニョのチームにとっては問題であるデータが残った。Rマドリーは56%のボール支配率を記録したのだ。クロップは言った。

「Rマドリーにボールを持たれたことは悪くない。悪いのはボールだけではなく、より良いアイディアを持たれた時だけだ。あの2-1の試合では我々のアイディアが上回ったと思う。なぜなら、ボールを支配する相手に問題があることを見抜いていたからだ。どこにパスを送り、どうやってロナウドを探すのかはわかっていた。我々のプランはX・アロンソをマークすることだった。彼に自由にプレーされたらRマドリーの攻撃を防ぐことはできないが、彼をマークすればペペがボールを持つことになる。それは大した違いではないが」

 

モウリーニョvsRマドリー「三年戦争」 明かされなかったロッカールームの証言 著者ディエゴ・トーレス 訳木村浩嗣 発行KANZEN 289項より引用

 

 

ステマチックなハイプレスは、その実態はゾーンプレスと変わらない。結局のところ、ゲーゲンプレスも数学的な仕組みの構造となっているため、個々のゾーンがかなり圧縮されたプレスだ。例えばEURO2016のスペイン対イタリアでも、イタリアの個々の距離感を圧縮したプレスを前に、スペインは縦に放り込むことしかできなかった。ティキタカが失われたあの瞬間、スペインは攻守のバランスを失ったのだが、その話はまた後で。

 

■ゾーンディフェンスの誤解

従来の、というより今までの「ゾーンディフェンス」は、ブロックを作ったうえで選手の配置を細かく分け、相手からボールを奪っていくやり方だ。セリエA全盛期のサッキが築いたミランがすべての始まりだった。

それから20年ほどの月日が経ち、グアルディオラ率いるバルセロナが前線からのプレッシングという守備を流行させ、現在はドルトムントのゲーゲンプレスにシメオネアトレティコといった、プレッシングとゾーンのミックスがトレンドとなっている。

「ボールを奪われた瞬間、そこに人がたくさんいるのだから、まだ攻撃の途中という感覚を持ちつつ、そこでディレイしたり、リトリートしたりして下がって守備をするのではなく、一気にプレスをかけてしまうという戦術です。もはや現代サッカーでは攻守の分け目がなく、セットになっていることを象徴する守備の考え方ですが、選手たちがボールを奪われた瞬間に前線からプレッシングするとき、そこで連動したプレッシングをする判断の拠りどころとなるのは、全て相手ボールホルダーの状況によって決まるということです」

 

サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論 著者松田浩 鈴木康浩 発行KANZEN 36項より引用

 

 

ゾーンプレスは、自分のゾーンに侵入してきたときにプレスを掛けるのが従来だった。ところが、進化版のゾーンプレスは、プレーヤーの守備エリアを超えてプレスに参加することが求められる。

 

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今は「相手のゾーンから優先的」に人数を掛けてプレスを行う。ボールサイドに人数を掛けることによって、ボール保持者に対し圧力を増していく。

 

しかし、このプレスには致命的な欠点がある。広大なスペースを生んでしまうということだ。ボールを中心とした守備は、ボール保持者に対しては圧力をかけることはできる。問題は、オフザボールの選手だ。もう1度振り返ろう。現代のゾーンプレスは、自身のゾーンより、ボールが存在するゾーンが優先される。

つまり、ゾーンディフェンスの狙いとはマンツーマンをベースにしたサッカーがいかに相手に対して数的優位の状況を作れるかを狙いにするのに対し、“たった一個のボールにいかに数的優位を作れるか”ということがあるのだ。

 

サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論 著者松田浩 鈴木康浩 発行KANZEN 60項より引用

 

 

ボールに行くのに引き換え、広大なスペースを作るこのディフェンスは、1人でもセオリーから外れれば一瞬にして崩壊する。スペースを消すならば、最終ラインを常識はずれレベルまで上げ、ボールが存在するエリアを消していく。当然、そうなれば裏に広大なスペースが誕生するため、超一流のCBがこの戦術には不可欠なのである。

 

 

■攻守一体化になる方法

1番手っ取り早い方法は、前線からのプレスにショートカウンターという戦術。攻撃のための守備という、ボールを高い位置で奪えることが前提の戦術は、ピッチ上に立つ全選手がシステマチックに動かなくてはならない。要するに“ロボットになること”が要求されるのだ。

バルセロナが隆盛を極めた影響もあったのだろう。数年前、日本サッカーがバルサ一色に染まり、ポゼッションなるマジックワードに踊らされてしまった時間はひどくもったいなかった。あの時期に守備の話を持ち出そうならば、「面白くない」「選手をロボット扱いするな」、挙句の果てには「守備ブロックなんて糞くらえだ」と公然と言い放ったプロ監督がいたときには悲しくなった。

 

サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論 著者松田浩 鈴木康浩 発行KANZEN 6項より引用

 

 

今は、科学の力で守備戦術を筆頭に、選手のポジショニングから最終ラインの高さまで、細かく数値化されるようになり、効率的な守備戦術が完成している。それは今回のEUROでイタリアやポルトガル、あるいはドイツがやったディフェンスを見れば一目瞭然だ。

 

 

■ポゼッションは死なない

攻守一体化にはもう1つ方法がある。高いボールポゼッションにより、自軍の守備機会を減らしていくというやり方、“ティキタカ”である。

「“ティキ・タカ”は死なないさ。もし死んでしまったならば、良くない方向に進むことになる。僕たちはバルセロナじゃなくなってしまうんだよ。僕はバルサのようなプレーを見せられるチームが、ほかには存在しないと断言できる。どのようなチームであっても、バルサのレベルにはないんだよ。ペップのバイエルンでさえ、そのレベルには到達しなかった」

 

headlines.yahoo.co.jp

 

 

 

ポゼッションはボールを保持することで、自軍の守備時間を減らし、またいつでも攻撃を仕掛けることができる。究極の戦術と言ってもいいだろう。しかし、使い方によってポゼッションは自分の首を絞める凶器になりうることもある。ボールポゼッションを目的とした戦術では、ボールキープで満足してしまい、いつの間にか「ボールを持たされている」という感覚に陥ってくる。こうなると、前線にスペースがなくなり、ポゼッションをしている意味がなくなってくる。ならばボールを放棄し、スペースを生み出した方が点を取ることができる。ポゼッションは相手から「嵌められやすい」のだ。

 

だが、ポゼッションがサッカー戦術で1番の究極なのは変わりない。いつでも攻撃できれば、攻められる心配もない。やるならば、中途半端に進めるのではなく、とことんやるべきであり、ボール回収のサイクルまで理詰めに戦術を組み立てなくてはならない。

「私は、ボールポゼッションこそがカギだと考えています。ボールをより長く支配することで、ゲームを支配できるからです。自分たちはより多くの攻撃、より多くのチャンスを作り、反対に相手にはより少ないチャンスしか与えない。体力的にも、ボールと相手を走らせることで相対的に有利になることが多い。7割方ボールを支配できていれば、それだけ価値に近い位置にいられます。そうすると、だいたい8割方は試合に勝てるのです」

 

サッカーバルセロナ戦術アナライズ 最強チームのセオリーを読み解く 著者西部謙司 発行KANZEN 143項より引用

 

 

サッカーという競技に絶対の勝利の方程式が存在しないのだから、最も点を取ることができるチャンスが多いポゼッションサッカーが1番勝ちに近いサッカーだというのは、もう説明しなくてもわかるだろう。もしポゼッションがこの世から失われるのであるなら、それはサッカーの終焉を意味する。

 

 

■守備戦術の限界

ビエルサは単なるビデオ分析家ではない。信念を貫徹する彼の意思は、こちらが怯むほどに強い。

「守備戦術などはせいぜい五、六つくらいしかやり方はないのですから。私に言わせれば守りを固めることなど、とても簡単ですよ。何をどうこねまわしたところで限界があるのですから。でも攻撃戦術には際限ありません。選手の創造力次第でいくつもの展開を作り出すことができます。私はその難しいことに挑戦したいのですよ」

 

『名将への挑戦状』ヘスス・スアレス、小宮良之著、東邦出版、2011年発行。111頁より。

 

 

 

 

長期的に強さを披露できるチームは、大体がポゼッションサッカーを志向している。それはバルセロナアーセナル、またスペインやドイツもそうだ。逆に昨シーズンのチェルシーを見ていれば、またクロップ・ドルトムントのラストに表れるように、ポゼッションにこだわりがないチームは、一時的に強さを見せるが、長くは続かない。もちろん守備は大切だが、それだけでは勝てないのだ。

 

 


サッカーで生き残る道は攻守一体化しかなくなった。

その方法は「ゲーゲンプレスによるショートカウンター」と「圧倒的なポゼッション」。引いてブロックを形成するチームに光が当たるのは、せいぜい短期決戦のトーナメントくらいで、長期的なリーグ戦、またそれが高いレベルならば、もはや通用しなくなる。

 


守備戦術には限りというのがあり、どんな良質な守備陣形ができていたとしても、いつかは限界を迎える。その守備を永遠とするのなら、その守備につながる攻撃の戦術を組み立てなくてはならない。

河井陽介✖遠藤保仁@パスの捌き方 

中継ぎ投手をどう評価しますか?

ブログを始めて結構立ちますけど、いろいろとスポーツを見る目が変わってきますね。それはサッカーだけではないです。

 

例えばプロ野球

野球の花形は4番か先発投手です。特に日本では先発投手にいい選手が多いということで、なにかと注目されますよね。巨人の菅野智之とか、日ハムの大谷翔平阪神藤浪晋太郎......。メディアで騒がれるスター選手ってほとんどはスターターです。

選手の評価対象って、年棒で表されます。ピッチャーで年棒が億越えする選手は、スターターかクローザーです。チーム内では特別な選手です。一方で中継ぎというポジションは軽視される傾向があります。例えば先発で結果が出せないピッチャーを中継ぎに配置転向すると、メディアは「中継ぎ降格」と表現します。この表現に対して上原浩治は「降格ってなんやねん!リリーフ舐めんなよ!」と、ツイッターで呟いてましたが、本当にその通りです。年棒の話が出ましたが、リリーフで億越えする選手ってクローザーくらいで、たまに勝ちパターンの8回に投げるセットアッパーも超えるときはありますが、それって巨人とか金持ち球団くらいですよね。そりゃそうです。リリーフって、言い方は悪いですけど地味なんです。だって、先発と比べたらちょっとしか出番がないし、クローザーのような華があるわけでもない。仕事を終えたら真っ先にベンチに引っ込む。これがリリーフです。先発投手の仕事場はマウンドですが、リリーフはブルペンが仕事です。ずっと肩作っていたのに、結局出番はなかった。それもリリーフです。日に当たらないわけです。陰で行う仕事をどう評価するのか。組織で重要なのは太陽ではなく月です。

 

 

河井陽介のボール捌き

ここ数試合のエスパルスは、パスワークがよく、長時間ゲームを支配できるようになっています。安定したゲーム運びができるようになった秘訣は、ボランチでの支配力が大きくUPしたからです。

そんなことで、J2第22節ロアッソ熊本戦で解説の安永聡太郎に大絶賛された河井陽介のプレーを見てみます。

まず3分。

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河井に出ます。

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相手が寄せてきます。

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相手を引きつけて右に出します。

 

次は5分。

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白崎凌兵からボールが出ます。

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河井にボールが入った瞬間、相手3人がボールウォッチャーになります。

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上手く2人を引きつけてからパスを出します。

さらに7分。

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竹内涼からパスが来ます。

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白丸の相手選手がバックステップを踏みます。

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縦の方向にいる枝村のパスコース上に入り、縦に入れさせまいとしてます。この時枝村は「右に出せ」とアクションをしています。

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河井はその通りに右に出します。

 

開始から7分間で、河井を評価すべきプレーが3つもありました。

これまであげた3つのプレーは、一見何気な~いパス捌きに見えますが、全て相手を引きつけてからのパスであり、視野の広さのほか、止めて蹴るの基本動作に、状況判断力の早さのいずれもが高クオリティです。

 

ではここで、日本最高峰のパス捌きの名手である遠藤保仁のプレーもついでに見ていきましょう。先日のJ1セカンドステージ第2節ベガルタ仙台戦から。

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前半10分。遠藤はパスを受けられる体制で周囲を確認。

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今野泰幸からパスが出る。相手選手がやって来ています。

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相手が来たところで、ダイレクトで今野に返す。

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今野から再び遠藤へ。2人の選手がプレスに来る。

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ダイレクトで藤春へ。

続いて22分。

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アデミウソンから落としが来る。

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アデミウソンとワンツーを挟む。

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ダイレクトで左へ。

 

遠藤の場合は、ここまでのパス捌きはすべてダイレクトで叩いています。ただどれも、相手を引きつけたりとか、チームを落ち着けているなど、要所要所ゲームをコントロールしています。こういうプレーをしてくれる選手がいると本当にありがたいです。

 

 

それでは上級編!

以上を踏まえて、もう1度河井陽介のプレーを見てみましょう。

熊本戦57分から。

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河井は竹内に出します。

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リターンで河井に戻ります。

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今度は白崎のターン。

 

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白崎は河井へリターン。

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河井は金子に楔を放つ。

 

この河井を中心としたポゼッションですが、熊本はこのクソ暑い中での連戦が影響していたからなのか、あまり食いついて来なかったのですが、ベストな状態であっても、ボールを取れることはなかったと思います。最初のプレーから、河井と遠藤は極シンプルにフリーな選手にパスを出しています。でも、そんな超~シンプルなパス捌きでも、相手を引きつけ、しっかり正確に繋ぎます。そこにミスは存在しません。それだから安心してボールを預けられるのです。

 

河井陽介の凄さ

テクニックは凄い、戦術眼は凄い、何もかもが凄い。開幕したての頃は白崎のケガによって左を主戦場にしたけれども、白崎復帰後は現在のボランチに、町田戦では遂にFWまでやりだしました。その中でも河井を1番評価すべきプレーは、今回やった何気ないパス捌きです。確かに河井は、スルーパスを出すこともあれば自分で持ち上がることもできます。でも、普通に淡々と何気なくパスを捌けるのは凄いの一言です。遠藤と比べましたが、ゲームメイクの点では本当に似ています。今のエスパルスの中盤を仕切っているのは間違いなく河井です。今後、エスパルスのゲームを観るときは、パスやポジショニング、動きなど、河井を中心に観てみるのも面白いかもしれません。

 

というわけで、今回は「本職はGK以外のすべて!いや、やろうと思えばGKだって本職だぜ!」の河井陽介のプレーでした。