風間グランパスを打ち砕いたエスパルスの価値/あまりにも高すぎなグランパスのリスク
■和泉と秋山
3-4-3でスタートした名古屋グランパスのビルドアップの起点は左サイド。前半のスタッツで左サイドのアタッキングサイドが7割近く合ったことと、平均ポジションが極端に左サイドに寄っていたことがその証明。
グランパスのビルドアップは和泉と秋山から始まる。左サイドは大外に秋山と玉田。内側に和泉とガブリエル・シャビエルが入り、後方のサポートにエドゥアルド・ネット。サイドで数的優位を保つ。
大学サッカー関係者が見たら涙が出てくるような選手配置ではあるものの、二段構えのビルドアップ様式で左サイドでのボールポゼッションで優位となり、ゲームを進めていく。エスパルスの守備はいつもと変わらず4-4-2のゾーンをしっかり組み、中盤は以前の静岡ダービーと同じく圧縮しスペースを埋めて対応。ポゼッションは譲っても隙は与えない。
■松原と中谷
対するエスパルスのビルドアップは、中央で竹内、河井、白崎の3人が起点。攻め口は左サイド。主に松原。松原がペナルティーエリア付近でパスを受ける回数が多く、グランパスDF中谷とのマッチアップが数多く観られた。だってそうだもん。グランパスの右サイド、人がいなくてスッカスカなんだもん。
グランパスのネガティブトランジションのスローリーなことで、誰もが和泉の裏が弱点だ!と思いきや、人口密度高くて攻めにくい。対して逆サイドは広大なスペースがあるだけでなく無条件で数的優位になれるためカウンターのルートとして利用。ビルドアップにおいてグランパス右サイドを消し、左サイドから押し込んでいく。
■押し込め押し込め、サイドを押し込め
後半、石毛に代えて金子を投入。エスパルスの攻撃の起点は左サイドでも、後半のグランパスは守備においては(限りなくアドリブに近い)5バックできたので左からの攻撃も前半のようにはいかず、状況を打破するために右サイドを押し込まなくてはならない。
前半と変わらず竹内河井白崎でゲームを作り、松原は高い位置を取り、対面する青木を最終ラインに釘付けに。右サイドに関しては、
金子が和泉、ネット、秋山を引きつけることで右SBの立田がフリーになる。後半は立田がサイドでフリーになってボールを受ける回数が増え、グランパス左サイドをピン止め。両SBが高い位置でボールを受けることで完全に後半の主導権を握ったエスパルスが、危なげなく勝ち点3を勝ち取った。
■あまりにも高いグランパスのリスク
前半はほとんど2バック。後半はラインを上げてのアドリブ満載5バックで中盤にスペースが広がり結果的にセカンドボールを拾われまくる展開に。得点源のジョーはフレイレとソッコが封じ、玉田とシャビエルはボールに触らせずにどんどん下がらせていく。後半に金井を入れて4バックにしても時すでに遅し。極端に人数を掛けるということは大きなリスクを背負うということを意味するものの、それに対応する術がなければ自殺行為に過ぎないということを目の前で教えてくれた。
グランパス、スペースありすぎ
ヤッヒー、リスク犯しすぎ
ランゲラック、凄すぎ