川辺駿@ノールックパス ~手練手管~
J2第29節 アビスパ福岡vsジュビロ磐田から、82分の川辺駿のノールックパスを見てみる。
コーナーキックのこぼれ球を拾う。状況は1on1+1。福岡の坂田大輔が直前のコーナーキックを蹴っていた太田吉彰をチェックしながら、川辺のサイドへのパスコースも同時にチェック。
川辺は視線をサイドに向ける。坂田は「サイドに来るな?」といった感じで、サイドをケア。この時点で太田は坂田の視野から外れている。
坂田の目線がサイドに行ったところで、相手の門を通す。
坂田は完全に逆を突かれ、太田へのスルーパスが通った。
ここで問いたいのは、なぜ坂田はサイドに目線を移したのか。ここで1枚の画像を見てもらいたい。
川辺は出す直前に目線だけでなく、体の向きまで外に開いている。これが決定的なところ。目線までなら、あそこまで逆を突かれることはない。しかし、体の向きまで動作が行われていたら騙される。
川辺はサイドに向きを変えていたが、実際のコースは縦。サイドをフェイクに裏に抜ける太田に出した。
手練手管
ノールックパスというのは、プロでも上手い下手に別れる。それだけ高度な技。下手なノールックパスは首上の動作のみで行われる。アマチュアならそれだけで騙せることができるかもしれないが、プロが相手となると話は別。首上の動作だけで騙すのは非常に困難だ。
川辺のノールックパスは高いテクニックレベルを示したプレーである。まだ19歳という年齢を考えると、今後の伸びしろが期待される逸材なのは確かだ。