豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

18/19のバルセロナを振り返ろう!!

いつもエスパルスばかり扱うと思うなよ!!

 

f:id:butani-sinju:20190526163426p:plain

 

 

僕も1人のクレとして、今季のバルサは振り返らないといけません!! ラ・リーガ連覇、そしてシーズン最終戦となったコパ・デルレイファイナルをバレンシア相手に1-2で落として5連覇を逃して終了しました。ヨーロッパのシーズンも残すはアーセナルvsチェルシーのELファイナルを残すのみです。ということで、今季のバルサを軽~く振り返ってみましょう。

 

 

デンベレ覚醒とフィジカルフットボール

昨シーズンから就任したバスク人監督エルネスト・バルベルデは、ガタイのいいバスク人らしく、テクニカル路線から徐々にフィジカル路線に移行しました。その証拠に、バルベルデ就任以降のバルサの補強は、パウリーニョにウスマン・デンベレ、ネルソン・セメド、今季はアルトゥーロ・ビダル、ジェイソン・ムリージョ、ケビン=プリンス・ボアテングとフィジカルに特徴ある選手が増えました。

 

今季序盤のバルサ基本フォーメーションです。

f:id:butani-sinju:20190526143004j:plain

基本システムは4-3-3ですが、デンベレが左サイドで1人でできること。ゴッド・メッシ・フリーダムの右サイドのカバーをしなくてはならないといった問題から、事実上

f:id:butani-sinju:20190526143335j:plain

4-4-1-メッシというシステムに。神は動かざるがごとしなので、ペップバルサのように「メッシに合うのはテクニシャン」ではなく、今は「メッシのためにはハードワーカー」ということでラキティッチビダルといった選手が使われるようになったのです。バルベルデも1年目はもう走れなくなったイニエスタの使い方は限定的でした。

 

とはいえ、バルサの生命線はあくまで中盤です。そこで今季の新たな発見が、ブラジルからやって来たアルトゥール。シャビ二世ともいわれるゲームメイカーの加入で中盤とメッシ・スアレスをつなぐポイントをゲット。そしてSBを内側に配置して、テクニカルな部分を補強。アルバの偽SBはかつてはペップバルサの構想にあり(正確に言うと、ティト・ビラノバの発案で融通が利かないダニ・アウベスの逆である左SBを絞らせようとした)、右SBにセルジを使っているのは正しくこういうことなんですね。

 

このように、デンベレシステムを駆使して序盤戦を駆け抜けたバルサジダンロナウドを失ったレアルの低迷、アトレティコの出遅れなどライバル不在で「リーガとかマジ楽勝」だったんですが、ある一戦を期に雲行きが怪しくなります。

 

 

 

■圧倒的でなくなったボールポゼッションとコウチーニョの不透明な活用法

開幕4連勝スタートに、クラシコで5発を撃ち込みロペテギを葬った後に迎えた第12節。舞台はカンプノウ。迎える相手はスペイン屈指のポゼッションサッカー愛好家キケ・セティエン率いるレアル・ベティス。この1戦が今季のバルサを迷わせる運命の1戦となりました。

バルサのスタメンです。

f:id:butani-sinju:20190526150236j:plain

この試合は、怪我のデンベレではなく、ローマ行きの飛行機に乗る直前に「やっぱバルサ行~こう♫」とか言ってまさかのドタキャン移籍した21歳のブラジル人マウコムが入りました。

デンベレシステムは、あくまで「ポゼッションでは上回れるだろう」が前提のシステムで、メッシの根本的な問題(地蔵化)をカモフラージュできることで機能するのです。ところがこの試合は、バルサならまず負けるはずがない打ち合いで負け(3-4)しかもカンプノウで、しかもトータルのボールポゼッションでもカンプノウでは10年ぶりにリードされるという事件が多発した1戦になりました。これは普通にマズいです。まずバルベルデはボールポゼッションにこだわりがあるわけではありません。あくまで必要最低限のポゼッションでいい。ということで、それがだいたい55~6%ほど。カモフラージュできる最低限のポゼッション指数。ですがそれを大きく下回る48%を記録したことでバルサの弱さを隠せなくなり、得意の打ち合いで負ける破目に。

 

ここからフィジカル路線に亀裂が入ります。強豪相手だと勝ちきれなくなったのです。ワンダ・メトロポリターノでのアトレティコ戦、ホーム&アウェーでのバレンシア戦、サン・マメスでのビルバオ戦では勝ちきれず、4月のエル・マドリガルでのビジャレアル戦では、2点先行も一気に4失点し、後半ロスタイムで2点決めなんとか追いつくという展開。ポゼッションで五分の勝負を迫られる強豪相手に、ポゼッションで上回るためにはテクニカルに行く必要があります。そこで入ったのがフィリペ・コウチーニョ

f:id:butani-sinju:20190526154550j:plain

かつてイニエスタをウイングで使ったことはあっても、あの時は中盤にはシャビやチアゴ・アルカンタラ、セスクがいたことで成立できたわけであって、フィジカル路線に移った今のバルサで機能するかはまた別の話。イニエスタの後継として獲ったはずが、中盤だとガンガン上がる癖からかスペースを空け、カウンターを受けるキッカケとなり、ウイングだと左右のバランスが取れなくなる(デンベレやマウコムといったウイングタイプの方が結果的にフィット)など、今や放出候補にすらなっているのがコウチーニョの現実。ですがコウチーニョを活かさなければ強豪相手にポゼッションで勝てないというジレンマ。バルベルデはビッグゲームではコウチーニョの力を必要とし起用するもチームとフィットできておらず機能しねぇアララ。

 

 

 

バルベルデでいいのか?

年を重ねるごとに動かなくなるメッシ。時代の変化に対応しなくてはならないクラブの哲学。ペップバルサの影はなくなったものの、バルサの哲学に狂いはないのかと改めててみる必要を感じたシーズンでした。4月にリバプールホーム&アウェー方式の練習試合をやりましたが、アンフィールドで木っ端微塵にやられるとは思わなかったし、思えば去年もローマと同じ方式の練習試合をやった時もオリンピコでそんな負け方したなとかホントかすかな記憶がちょこっとフラッシュバックしましたが、バルベルデの大舞台での弱さはさすがの一言です。アンフィールドでの敗戦、そしてコパを獲れなかったことでメディアで「バルベルデ更迭論」がでてますが、現状消去法でバルベルデしかいないというのが上層部のまとまった意見でしょう。ということは、現体制で結果を出すためには補強しかないのです。

 

 

 

■来季のバルサこうだ!!

f:id:butani-sinju:20190526162322j:plain

アヤックスのフレンキー・デヨングは冬に加入が内定済み。その他は、CBに同じくアヤックスの19歳キャプテン、マタイス・デリフトを獲れたら大満足です。欲をいうなら33歳のスアレスの後釜としてフランクフルトからルカ・ヨビッチが欲しい。。。ですが、代理人の父親が「ポジションがないなら、わしゃあ行かせんぞ」とバルサ移籍には向きではなく、一部報道では獲得レースから撤退とか。スアレスはあと1,2年はできると思うので、早いに越したことはないですが、メッシもおっさんなので若いストライカーは欲しいですね。で、コウチーニョいないと大舞台で勝負できないのでなんとか来季こそはフィットさせてください。

 

 

 

ということで、簡単に振り返りました。来季こそは全タイトル制覇で。スアレスとメッシがいつまで元気なのかも分からないので先手先手を打ちましょう。聞いてるかぁ~バルトメウ!!