豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

ロシアを下したクロアチアはW杯を制することができるのか

■2つの心臓

クロアチアの攻撃はいつでもルカ・モドリッチとイバン・ラキティッチの2人から始まる。

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クロアチアのビルドアップは、この2人が最終ラインに組み込むことで中盤を空洞化にし、サイドチェンジを交えながら攻めていく。

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サイドを幅広く使い、前線のマンジュキッチ、クラマリッチペリシッチがフィニッシュするのが攻撃の形だ。

 

 

クロアチアに立ちはだかるロシアの壁

ロシアは、モドリッチラキティッチを抑えるために4‐4‐1‐1で、前2人にモドリッチラキティッチ両方にマークを付けてきた。

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2人に対して執拗にプレスをしたロシアは、ロブレンとヴィダの2人にボールが回るよう誘導。ここから出るボールを狙い、ブロック内で引っ掛けボールを回収する。

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前半のクロアチアの誤算は、出し手2枚にボールが届かず、ロシアの誘導通りにボールを動かしてしまったこと。ロブレンとヴィダからのボールに対するレシーバーを準備できなかったことだ。

 

 

クロアチアの修正

後半にクロアチアがやってきた修正は、中盤にレシーバーを配置すること。その役目になったのがモドリッチ

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ロブレンとヴィダからのパスの供給先になりながら自らも出し手として前線にボールを配給することでクロアチアはゴール前までボールを運ぶことができた。

 

高い位置に上がったモドリッチを抑えるべく、ロシアは中盤を1枚上げモドリッチ番に、そして中央に圧縮する。

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中盤が実質3枚となり、カバーが効かなくなったところで、そのギャップにマンジュキッチが受け手として中盤に降り、ペリシッチとクラマリッチでフィニッシュを担う。

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後半に、この形からペリシッチがポストにシュートを当てたシーンがあったように、クロアチアはロシアの守備を崩していったが、ロシアの集中した守備の前に得点を決められず、しかし最終的にPK戦の末にセミファイナルに進んだとさ。

 

 

クロアチアは優勝できるのか

クロアチア最大の武器は、冒頭で述べたようにモドリッチラキティッチの2人のゲームメーカー。この2人は出し手だけでなく受け手としても優秀であり、前に飛び出してゴールを決めたり、守備にも献身的で自らボールを奪いきってしまったりとハイパーなSランク級のミッドフィルダークロアチアにとって攻撃の修正はこの2人の高い能力によって2人のポジショニングをちょこッといじるだけで解消できたりする。そして残りの選手は彼らの傭兵であり続け、献身的に走り、犠牲になることを嫌わない。チーム力はフランス、ベルギー、イングランドに引けを取らないどころかそれ以上でもあり、ひょっとしたらマジで初優勝ありえるんじゃないかと、個人的には本気で思っていたり、そこまででもなかったり......。