豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

ブラジルに玉砕したコスタリカが得たものは何か

今回はコスタリカ目線です。

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コスタリカの守備

5バックは横いっぱいに、その前に4人が中に絞って中央を施錠。ガブリエル・ジェズスとコウチーニョからなる中央起点を消す。よってブラジルの起点は、サイド高い位置でネイマールとウィリアンが張り、そこに集める。

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ブラジルの崩しは、右はウィリアンがドリブルでカットイン。左はネイマールが縦へのドリブルorマルセロが中央に入ってインナーラップしボールを受けていく。

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ハーフスペースに進入を試みるブラジルに対するコスタリカは、中盤のブライアンルイスがウィリアンに、マルセロにはベネガスがしっかり付いていって、中央からの攻略は阻止。5-4のブロックという、中央とサイドとハーフスペースすべてをカバーする鬼畜守備陣形を形成しました。

 

コスタリカの攻撃

コスタリカがブラジルに勝てるスコアは1-0。後方に人数を掛けているため、大量得点は難しく、そうなると最少得点での勝利だけがコスタリカの現実的プラン。数少ない攻撃チャンスを確実に仕留めるためには、ブラジルのウィークポイントを狙い続けること。

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コスタリカがターゲットとしたのはマルセロ。ここに183㎝の長身ホアン・ベネガスをぶつけ、右サイドを起点。因みに前半のコスタリカゴールキックは全てここを狙っていました。

マルセロの辺りで起点を作れると、マルセロの裏のスペースにウレーニャを走らせ、ブラジルはそのケアとしてカゼミーロが左へ。

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次第にベネガスの空中戦はカゼミーロが担当する。そして、カゼミーロがいなくなった中央に左のブライアン・ルイスが中央に入り込みゴールを狙う。

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攻撃では横にスライドすることでスピードのあるわけではないブラジル守備陣を攻略にかかる。

 

コスタリカを崩したいブラジル

後半からレフティーのドグラス・コスタを投入し勝負に出たブラジル。これにより、ドグラス・コスタはハーフスペースに陣取り、右SBのファグネルが高い位置を取る回数が増えます。

ブラジルがコスタリカ崩しの狙いとしたのが、リベロとストッパーの間のスペース。

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ブラジルは攻撃の起点をハーフスペースに位置取るドグラス・コスタとマルセロにし、コウチーニョとジェズス、そしてパウリーニョにも狙わせ徐々にコスタリカを崩していく。

後半23分にパウリーニョに替えフィルミーノを投入。システムを4-1-4-1に変更し、リベロ脇にフィルミーノとジェズスを配置。

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ほとんど崩せているものの、最後の砦、ケイラー・ナバスを崩せず。しかし我慢強く攻め続けた結果ロスタイムに入りコウチーニョが先制点GET。さらにネイマールが追加点GETで2-0。ブラジルが苦しみながら勝ち点3を取ったとさ。

 

敗者が得たものとは

コスタリカはブラジル崩しに最善を尽くして、そして勝負に敗れました。同時にグループリーグも敗退が決まりましたが、カウンターの精度やアイデアは前回大会を上回るものであり、前回のベスト8は決してフロックではなかったと証明できたことでしょう。王国ブラジル相手に1歩も引くことなく挑み続けた勇者が得たものは、強さと勇敢を証明したという事実でしょう。