豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

【Play back the GAME】1999年Jリーグチャンピオンシップ第2戦 清水エスパルスvsジュビロ磐田 ~静岡が割れた日~

ある時、偶然YouTubeで動画を見つけました。懐かしいなと思って動画を全部見てしまいました。清水エスパルス史上、最も頂点に近づいた日。’99年チャンピオンシップセカンドレグ、ジュビロ磐田戦です。

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サントス懐かしい。ヤスキヨ懐かしい。そうだった。当時は今は亡き「3-5-2」だった。戸田がリベロにいるというのもエスパルス時代ではそんなに観られなかった。このポジションのレギュラーである森岡隆三は骨折のため離脱中。じゃあジュビロ

 

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ジュビロもいつも通りのよんよん...4-4-2!!? 改めてみるとジュビロの4-4-2は珍しい。安藤はこの2ヵ月前までエスパルスの選手だった。高原はベンチスタート。名波はヴェネチアにいた。

 

因みに、チャンピオンシップでダービーマッチだったのは後にも先にもこのカードだけ。物凄く因縁たっぷり。あとゲスト解説に武田修宏がいたけど、今と変わらず何を言っているのかわからなくて、それをNHKでやっていたから喋るたびに冷や汗と次のセリフに対するワクワク感というスペクタクルを提供してくれた。そういえば一応ジュビロOBだったね。去年のダービーもSBSのジュビロOB枠に出ていたっけ。サックスブルー感ゼロ。

 

ジュビロ磐田スタジアム(現ヤマハスタジアム)でのファーストレグを、これまた今は亡き延長Vゴールで落としたエスパルスエスパルスの優勝条件は90分での勝利。もしくはVゴール勝ちからのPK戦勝利のみという、条件からしたら引き分けも許されないので非常に厳しかった。

そんなわけで、立ち上がりからゲームを支配するのはエスパルス。市川&アレックスの両サイドを起点に攻め立てる。ゲームの組み立てはサントス。久保山が弱冠引いてノボリとの2シャドー状態。だから中盤では

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このように数的不利になる。ジュビロ中盤はこの数的不利から脱却するため、藤田と奥が中に絞りケア。でもf:id:butani-sinju:20180203221654j:plain

ご覧の通りエスパルスが誇るJ最強の槍である両サイドにスペースが生まれてしまう。だが前半10分過ぎから

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この日FWに入った福西がサントスの見張り番として中盤に落ちる。藤田と奥はサイドのケアへ回り4-4-1-1の形へ。ここからジュビロセカンドボールを回収する回数が多くなり、徐々にペースはジュビロへ。

35分。西澤が狙われ、中山➡服部と繋がれジュビロ先制。西澤の組立力も今を基準に観たら酷いもんだけど、同じ左サイドのアレックスがあまりにも高い位置を取っている&サントスには福西が張り付いているでパスコースがなく孤立。同情の余地は、少しはあるかな。

 

先制を許して直後、ゴール前でフリーキック獲得も報復行為でアレックスが退場。このFKをノボリが直接決めて1-1で前半を折り返す。

 

1人少なくなって迎える後半はシステムを4-4-1へ変更

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 左SBが戸田である理由で考えられるのが、西澤では組立で心許ないからというのと、ベンチメンバーも含めて、SBらしい仕事ができるのは戸田しかいなかったから。

1人少ない状況下で、エスパルスは序盤からジュビロがペースを握る。ジュビロが組み立ての起点としたのは服部と、数多くいる三浦の中の文丈の方の三浦。4-4-1にしたことジュビロボランチに対するプレスが甘くなり、この2人がサイドへボールを運ぶことによって中盤だけでなくサイドも数的優位を作ってくるf:id:butani-sinju:20180204000839j:plain

 後半は、このジュビロの攻撃をひたすら耐えて、カウンターワンチャンに懸けてみるという展開に。

24分に、エスパルスは安永に代えファビーニョを投入。

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久保山をやや下がり目で使い、ファビーニョにひたすら裏を狙わせ走らせる戦法に変更。数的有利でサイドからガンガン攻めてくるジュビロに生まれる最終ラインの穴を突いては決めきれずと、1度ファビーニョの突破から久保山ボレーーー!!がバーーー!!を叩くところがありましたが、ジュビロにも隙があったということで、戦術的なところでは、今の方が格段に上でした、というのがここにきての感想。最後は延長でファビーニョVゴールを決めて2-1の勝利。も......。

 

ということで18年2ヵ月前の試合を振り返りました。もうそんな昔です。’99年生まれの子は今年高校を卒業します。高卒ルーキー勢はこの年に生まれてるわけです。皆さん年取りました。でも、あれから何年経とうと、あのゲームを忘れることはない。そう懐かしさと共に思えたメモリーでした。