豚に真珠

サンバのリズムに乗せられて、いつの間にかそのオレンジ色に魅了される。それが清水エスパルスというチームなんだ

ダービーにおけるジュビロの守備問題と致命的欠陥/名波浩という諸刃の剣:砕かれる世界に嘆く大井健太郎と田口泰士

名波浩率いる現在のジュビロの守備は3-5-2からなるマンツーマンディフェンスです。

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基本的に目の前の相手が最優先。足りない部分は気合でなんとかします。

 

■後手にまわるサイドの攻防

開始早々に先制したエスパルスが残り90分で狙う攻撃はハードプレッシングからのショートカウンター田口泰士と上原力也に入るボールを2トップ+金子石毛で狙いゴールに迫る。

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ボールを奪ったらサイドへ2トップとSBが走りこむ。

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前半に利用したのが右サイド。エレンの背後。当然ジュビロエスパルス右サイドに人数を掛けて守りに来る。森下、田口、そして大久保。

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あくまで人海戦術による守備。人数掛けて奪えきれれば何も言うことはないし、局面が数的優位であるということは奪う上では理に適っているわけですが、ジュビロの場合はここで2つの墓穴を掘ることになる。1つ目は逆サイド。これに関しては以前も記事書いたので省略。

 

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 もう1つは身近に存在するハーフスペースのケア。例えば右サイドでは、立田、ドウグラスでキープし、金子がハーフスペースに走りこみボールを受けるとあら不思議。金子の目の前にはスペースが広がっているという現象。

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これは後半にジュビロがズタズタにされる要因にもなるのだがそこは後の話。

エスパルスが常時ターゲットとしていたのが、ジュビロWBの裏に広がるスペース。前半に見られた光景は、FWを走らせてジュビロにこのスペースを警戒させる。当然ジュビロはこのスペースを警戒して人数を掛けてくる。するとジュビロ中盤にはスペースが広がり、中央から崩すことが可能。そうそうにジュビロの守備は崩壊していた。

 

 

■走らされる田口泰士

 後半、システムを変更したことで攻勢を見せるジュビロは、俊輔と後半から入った荒木をSB前に配置し起点を作りエスパルスを崩しに来る。エスパルスのSB、SHに対し、WBとシャドーをサイドに置き局面で数的同数にすることでサイド及びハーフスペースでの崩しを円滑に進めようとする。

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このスペースに走りこんだのは田口と高橋だ。

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実際に崩され、失点はしたもののエスパルスはこのエリアにはしっかり網を張っている。ゾーンで守っているので俊輔や櫻内から繰り出されるパスを引っ掛ければいい。田口と高橋の進入には竹内と白崎が絞りスペースを消す。次第に俊輔の選択肢はサイドチェンジしかなく、愚直にオーバーラップを繰り返しては、空いたジュビロ右サイドをひたすらカウンターの餌食と化し恐怖を植え付けていく。

f:id:butani-sinju:20181009223125j:plain子空いたスペースにドウグラスが走りこむことで大井健太郎がそのカバーに走る。田口が必死こいて戻る。

エスパルス後半の攻撃の起点は高橋がいたこのエリアだ。田口に高橋とジュビロビルドアップの起点を潰しイニシアチブを握る。この試合の田口は上下動の動きは多かったものの大半は無駄走りに終わった。というより、走らせたという方が正しいかもしれない。エスパルスの敷いた網はそれほど強固であった。スペースと時間を与えないプレスでジュビロの行き場を失わせ、シンプルに空いたスペースを狙う。そのツケを払ったのは全て大井だった。

 

 

■大井が悪いのか、ジュビロがおかしいのか

後半から高橋の攻撃参加が増えたことで右サイドの守備タスクまで担うことになった大井。この試合のトラッキングデータではスプリントを14回記録するなど、リベロにしては高い数字を出している。

後半のエスパルスの攻撃の起点はスペースへ流れる2トップへのフィード。セットプレーからドウグラスにこの日2点目を奪われ、より攻勢に出ざるを得なくなったジュビロは高橋を高めに配置し、田口も位置取りは高くほとんど大井森下の2バック+山本で守っていた。エスパルスの2トップに対しては大井森下で対応するが、ここでエスパルス4点目となったシーンを。

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大井のパスをカットしたフレイレがドリブルで持ち上がる。ドウグラスがサイドへ流れ大井がサイドへ流れる。

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フレイレが田口を引きつけてサイドへ。大井が抜けたスペースには石毛が走りこみ、ドウグラスがパス。

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大井のパスカットから始まったエスパルスのカウンターは、大井が空けたスペースを突いたことで4点目が決まった。大井のパスは安易であり、これは攻められても仕方ないとはいえ、大井1人にこれほどまでのタスクが背負っている状況自体がおかしい。フレイレのドリブルから始まったところからドウグラスのパス→中へという展開をジュビロは大井1人で対応している。前半からもそうであったが、エスパルスのカウンターにおけるサイドへ流れるFW→ハーフスペースへの展開はジュビロが自ら明確にした弱点であった。なぜジュビロはこの展開に弱いのか。サイドに流れるFWへの対応のほとんどは大井が対応して、当然のように空いたハーフスペースを攻略されている。

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横への揺さぶりに驚愕するほどの弱さを見せたジュビロは、大井がサイドへ引き出されることで攻略可能となる。後半のエスパルスは徹底してサイドへの展開からハーフスペース攻略を行うことでジュビロ守備陣をズタズタにした。

 

 

■目を開けたまま見てる夢

エスパルスの攻撃はカウンターが基本で、手数を掛けず素早く獲物をしとめる。極シンプルで人数も必要最小限。だがジュビロとの決定的な違いは、その攻撃プランに明確なマニュアルが存在した。何も特別なことはしていない。だがその攻撃パターンは豊富であり、1度揺さぶれば簡単に崩れていくジュビロ相手ではその片鱗を見せるだけで十分だった。

ジュビロの致命的欠陥として浮き出たのがマニュアル化されていない攻撃とそのツケを全て払っては当然のように崩される守備。

 

大井「こんなに広いスペース、1人じゃ無理だろ」

カミンスキー「またシュートを打たれるのかよ...」

川又「ボールが来なくて歯がゆい...」

 

組織として戦ったエスパルスと個の集合体に過ぎなかったジュビロとの差は歴然だった。

 

 

■勝者の背中

今シーズン最高の内容。全てにおいて圧倒。これ以上望めば天罰を喰らうであろう、そんなゲームだった。

昨シーズン3戦全敗だったダービーは、今年1勝1分1敗で迎えて4戦目を5-1と衝撃的スコアで締めくくった。

 

我々が清水エスパルスである限り、ダービーでの勝利は必須項目だ。そして見事にクリアしてみせた。その勝者の背中はとても誇らしかった。

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闘った者の証として

ダービーにおいて、ジュビロの攻撃が不発に終わった理由

4-4-2のゾーンで守るエスパルスと、3-5-2のマンツーマンで守るジュビロ。戦術的に対照的な両チームは5-1という予想を超える大差のついたスコアで幕を閉じた。

 

この日のエスパルス4-4-2のブロックは、中盤4枚を中に絞らせ、4バックを横に広げる網を張った。

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ジュビロのサイドにおける幅取りは櫻内とエレンの両WB。この2人の対応と中盤が3枚のジュビロに対して数的優位を保ち守備をすることがエスパルスの狙いだ。

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ジュビロの中盤3枚に対して、ボランチには金子石毛がプレス。俊輔には竹内がプレスし白崎が1枚余るという、常時数的優位を保つ。

 

 

ジュビロのサイドに対するエスパルスのケア

エレンの左サイドを中心に攻めてきたジュビロは森下、田口、俊輔をエレンのサポートに付く。

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エレンのマッチアップは常に立田。サイドの局面でも数的優位を保ち、上がってくる森下に対してもFWがプレスバックすることでエレンの背後に控える田口への逃げ道も(金子がマーク)封鎖。エレンが逃げるために残されたルートは逆サイドへ一気に展開すること。

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エスパルス両SBはいずれも180オーバーであり、一気に局面を変えてくるロングフィードでのサイドチェンジならばカットできる。SBが横いっぱいに広がっていたのもコレが狙い。また、逆サイドに弱さをみせるジュビロの陣形によってSBがカウンターの起点となりFWにボールを入れる。このカウンターを恐れてか、ジュビロは次第に3バック&ボランチが低いポジション取りをするようになり、サイドでエスパルスが主導権を握るようになる。

 

 

■システム変更による弊害

後半は上原と大久保を下げて山本康裕と荒木大吾を投入。システムを3-4-2-1に変更し、中盤のイニシアチブを取り返そうとする。

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確かに中盤は数的同数になった。これで多少はエスパルスはバタついた。しかし実態はすぐに対応できる代物に過ぎなかった。

システムを1トップにしたことで最終ラインに空きができ、両SBが高いポジション取りを取ることができる。櫻内とエレンを低い位置に引っ張られることでジュビロのサイドは死んだも同然。

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SBが上がったスペースを荒木が突くも、始めから数的優位を保っている最終ライン相手には無力。

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後半から前への圧力を強めていったエスパルスに対してビルドアップで自由が利かなくなったジュビロ。しびれを切らしたかのように下がってくる俊輔。すると

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エスパルスの後方は圧倒的数的優位に立ち、俊輔や田口からのパスはエスパルスボランチで張っている網に引っかかる。そして川又が孤立することで前線で基準点を作れない。ジュビロの攻撃は終始、機能不全であった。

 

 

5-1で幕を閉じた今シーズンの静岡ダービー。大差のついたゲームのロジックを解いていく。次回は、エスパルスの攻撃と現実に引き戻されるジュビロの守備問題に悲鳴を上げる大井健太郎

マリノス戦から見るジュビロの守備問題と敗戦理由

明治安田生命J1リーグ第27節 ジュビロ磐田vs横浜F・マリノス

現在のジュビロ基本フォーメーションは3-5-2。土台となっているのはボランチ田口泰士山田大記、トップ下の中村俊輔。今回はこの3人の軸を中心にジュビロの守備を見ていきます。

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密集するボールサイド

ジュビロの守備体型は、ウイングバックが下がっての5バック。その前には3人の中盤と2トップ。5-3-2で守る。

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この陣形で弱点はというと中盤の両脇。

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3人の中盤は横一戦になるといったこともなく、仮に横一線に並んだところで3人ではカバーできないので、ジュビロの守備というのは極端な話、

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逆サイドを捨ててボールサイドに極端に人数掛けて守る。だからジュビロはボールホルダーに対しては複数でプレスし数的優位を作れてはいます。ジュビロの場合、最終ラインに5枚置いている以上、前の方が人数的に薄くなります。それに中盤も人数がいないので、逆サイは捨てざるを得ない。ポジティブな面を言うと、2トップ+俊輔が前にいるので奪った後のショートカウンターが発動しやすいという点。ただこの点は狙ってやっているというより、優位性を保つためにはこうせざるを得ないから極端なボールサイド寄りになっていると考えた方がいいです。

 

オーガナイズされてないサイドチェンジ対策

現在のジュビロの最大のウィークポイントは逆サイドであることは理解できたと思います。ということで、今のジュビロの守備の問題点を見ていきます。

 

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後半立ち上がりのシーンです。山中が中央へドリブル。ジュビロは中盤3人で対応。

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3人のプレスをサイドチェンジでかわしてマリノス右サイドへ。

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仲川輝人が右サイドでキープ。対面はジュビロ新戦力のエレン。後方には松原健が控えており、局面では数的優位。

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中盤3人が置いてかれたばかりに逆サイドはどうなるかというと、コレびっくりしました。エレンのプレスに対する後方待機部隊に大久保嘉人が、そして川又堅碁が挟み込もうとしている。この時点で逆サイドの守備はヤバい。2トップがまるまるサイドで守備している。

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川又と大久保で守備しているという、ちょっと信じがたいシーンですが、当然奪えるわけなく、

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抜かれる。仲川の目の前の壁はエレンを除く最終ライン4人。田口が戻ってきてはいますが、

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ジュビロからしたら「シュート、サンキューな!!」で、打ってくれてマジ助かったという場面。俊輔がギリ、というか間に合ってないタイミングで戻ってきましたが天野純は完全にフリー。

 

結局、ジュビロの守備はマジで人海戦術。ガンバ以上です。ガンバの時はまだ超マンツーマンディフェンスでしたが、ジュビロはマンツーマンですらない。2トップが揃いも揃ってサイド奥深くまで戻って守備するなんて普通ではありえない。しかも終盤ではないですよ。後半開始のファーストプレー。モラルなんてあるのか、ぶっちゃけ知りません。確固たる守備戦術もあるかどうか知りません。名波&鈴木田中に聞いてください。

 

砕かれる世界

85分のシーン。

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サイド奥深くでエレンがクリア。

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ドゥシャンがボールを回収。目の前にはスペースが広がってます。

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ドゥシャンはドリブル。中盤の3人を引きつけた中で山中へ。目の前には広大過ぎるスペースが。

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ジュビロ敗因は?

逆サイドに極端に弱いことは分かり切っていることですが、大本はというとそれは中盤3枚。キープレーヤーが穴。結局3枚が横並びしたところで守れるわけがないですし、だからボールホルダーに対して一気に囲い込むというのは理に適っているわけです。ですが、メンツがメンツ。守備に長けている選手ではないのでバランスが崩れたら立て直せない。最初の山中にしろ次のドゥシャンにしろ、3枚引きつけてサイドチェンジで揺さぶるだけで中盤に広大なスペースが生まれます。

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中盤の脇に生まれるスペースを利用したマリノスはここを終着点として横にジュビロを揺さぶってきた。これによって生まれるスペースを徹底して突く。

ジュビロは、縦に関しては人数が揃っている分、強いです。しかし横に関しては人自体いないので弱さを見せる。結果、その穴埋めに走るのはFW。だからカウンターで起点が作れなくなるので俊輔のところでタメを作るしか攻め手がないのです。その俊輔がスーパーなのでそれはそれで凄いんですけど。

 

あなたのベットはどっち?

いよいよ静岡ダービーです。ジュビロのウィークポイントは、マリノスインサイドハーフとSBを内側に絞ることで突くことに成功しました。エスパルスでいうなら金子白崎です。ここでイニシアチブを握ることができれば90%の確率で勝てます。あとは俊輔の飛び道具と大久保川又の1発に気を付けるのみです。ちなみにダービーは山田大記が出停なので代わりは上原力也が濃厚です。でも問題の根は人を変えただけでは解決しません。なのでいつも通りジュビロのウィークポイントを攻めていく。

 

オレンジとサックスブルー

ヤン・ヨンソンと名波浩

清水と磐田

 

 

あなたのベットはどっち?

 

 

ドウグラスのすごさ

「S☆1」って番組、知ってます?

 

土曜日曜のTBSで深夜にやっているスポーツ番組のことです。その番組の日曜日に不定期でやっている「ノムさんぼやき解説」というコーナーがあります。ちょうどやべっちFCとど被りしていることもあり、サッカーファンが見る機会は少ないかもしれません。かく言う僕も隙あらば観ている感じです。ただコーナー自体はすごく面白くて、野球は素人である僕が観ていてもハマります。そのコーナーの中で、何か月前か解説の野村克也が面白いことを言ってまして、未だに記憶に残っているのでちょっと紹介します。

 

野村克也長嶋茂雄はプロではない。なぜなら、簡単なプレーを難しく見せるからだ。だから皆彼にはあこがれたわけなんだけど。プロというのは、難しいプレーを簡単に見せることだ」 

 

なんか深い言葉だなって思いました。僕自身、「ON」を観ていた世代ではないですが、同じ時代を生き、選手監督として成功を収めた人が言う言葉は違うなと。そんなある言葉の紹介でこのコーナーをスタートします。

 

 

ドウグラスのプレー

明治安田生命J1リーグ第21節川崎フロンターレ戦から

f:id:butani-sinju:20180908171127p:plainボールを持っている河井陽介から縦に楔が入る瞬間。この段階でドウグラスは動き出していますが、

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黄色丸の北川航也が相手DF谷口彰悟を引き付けてポストプレー。裏の赤丸のスペースにドウグラスは走りこむ。

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ボールはミッチェル・デュークへ。ドウグラス車屋紳太郎と1対1の状況を作り出す。

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デュークからのクロスをトラップ。この時、車屋は逆を取られているが、

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もう1度見てみましょう。クロスが入った瞬間、ドウグラス車屋の背中を取るように裏でポジショニング。

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トラップの瞬間です。車屋が逆を突かれたのは、ドウグラスがターンして右足で打つのではとのことでそっちをケア。ドウグラスの体の向きを見ても、普通はそっちを考えます。が、ドウグラスはターンせず

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左足で打てる場所へボールをトラップ。

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スペースへ入る動き、タイミング、トラップ、シュート。すべてが高いレベルで行われている。これぞストライカー。

 

 


【公式】ゴール動画:ドウグラス(清水)5分 清水エスパルスvs川崎フロンターレ 明治安田生命J1リーグ 第21節 2018/8/11

 

エスパルスのポゼッション問題とポジショナルプレー/デュークのゴーストが囁く

再開後3連勝 YES!! その後は2連敗 YES!!

ということで、目下好調といってもいいのではないかの噂のエスパルス。その最大の要因が守備の安定。以前、ブログ内で紹介したゾーンディフェンスが徐々に浸透しており、

 

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まだまだ未完成ではありますが、現時点ではJリーグ屈指の硬さを持つディフェンスを身に着けているのではないでしょうか。

 

 

???「み、未完成?? それはいささか厳しすぎではぁ~?」

 

 

僕の見立てでは、まだまだ未完成です。守備に関してもあとちょっとなところはありますが、僕がここで一番言いたいのは「今やっているゾーンディフェンスの終着点はどこ?」というところです。

 

 

ゾーンディフェンスにより重要視されるポジティブトランジション

ワールドカップ前に書いた記事なんですが、

 

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 このとき、なぜ僕はポジティブトランジションを書いたのか。トランジションについて書くなら「攻→守」のネガティブトランジションも一緒に書けばよかったじゃ~ン、なんて思った人もいるのではないでしょうか。

 

現在のヤン・ヨンソン率いるエスパルスは、振り返れば開幕したての頃は昨シーズンのスタイルを引き継ぎし徐々にヨンソン色を出していき、4月あたりからヨンソン色に染まりつつありました。4月はなかなか勝てませんでしたが、まぁあの15連戦により戦術の見直しができなかった。十分なオフも取れずに中断期間までひとっ飛びだったので、ゾーンディフェンス取得という今シーズンのテーマに支障が出てしまいました。

 

話を元に戻しましょう。今シーズンのテーマは「ゾーンディフェンス取得」という、今後のヨンソンサッカーの台座にあたる部分を構築しているのです。守備から作るチームがゲームに勝つために大事なのは、相手より先手を打つために重要なのはポジティブトランジションなのです。ボールを奪ったその瞬間から攻撃に切り替わる。これで相手より先手が打てれば一気にゴール前まで行けます。今季はカウンターによるゴールが多いのもその証拠ですね。

重要なポジティブトランジションをよりスムーズに行うには、切り替えるときにポジションの動き直しをしなくても済むということです。守備時のポジショニングが攻撃でも効果を発揮する。「守→攻」がシームレスで行われれば一切の無駄がなく攻めることができます。

 

 

ポジショナルプレーとは?

なんか今年はサッカー用語解説みたいになってる......。それだけサッカー用語が増えてるってことだね。うんうん。

 

ポジショナルプレーという言葉。これはまだ抽象的で、完璧な定義があるかというとないです。人によって違ってくるもんだと思います。それゆえ美しいものです。

 

まず大前提として言っておきたいのは、ポジショナルプレーは、サッカーというゲームに対する1つの解釈であり、それを行う上での1つの方法論だということです。ある特定の哲学に基づくゲームモデルを実現するための枠組みだといってもいい。

 

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー 著者レナート・バルディ 片野道郎 発行ソルメディア 71項より引用 

 ポゼッションだとか、カウンターといったあくまで勝つための手段の1つとしてポジショナルプレーという概念が存在します。選手のポジショニングにより相手より優位に立とうという考え方です。

ポジショナルプレーの最も根本的な原則は、優位性の追求です。この優位性には、数的優位、位置的優位、質的優位という3つがあります。ではこれらの優位性は何のために使われるか。それは、敵プレッシャーラインの背後にフリーの味方を作り出すためです。最終的には、敵最終ラインの背後でそれを実現し、フリーでシュートを打つ状況を作り出すことが目的になります。

 

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー 著者レナート・バルディ 片野道郎 発行ソルメディア 73項より引用

 相手の最終ラインの裏にフリーとなる状況を作る。では、そんなシーンを見てみましょう。明治安田生命J1リーグ第16節セレッソ大阪戦から

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サイドで河井陽介がボールを保持。中央で白崎凌兵がボールを要求。

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次はミッチェル・デューク。白崎に渡るところで裏へ抜け出す。

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白崎はダイレクトでスルーパス。裏のスペースを突く。

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デュークがクロスを上げて北川航也へ。

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で追加点と。完璧な崩し。

 

このシーン、数的優位かというとそうではないです。局面では、ハーフスペースは白崎デュークで相手は2枚と数的同数。不利というわけではなかった。

位置的優位ではどうか。

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これ見ると、セレッソの守備はマンツーマン。人に付いています。スペースを埋めてないので、エスパルスの選手がいないハーフスペースの、相手最終ラインに当たる部分にはスペースが

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位置的優位というのは、敵のプレッシャーラインに対して、その背後にパスコースを作り出す形でマークを外しフリーになった見方がいる状況を指します。

 

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー 著者レナート・バルディ 片野道郎 発行ソルメディア  75項より引用

 このことはデュークを指しています。白崎に渡るというより、河井からパスが出た瞬間にもうハーフスペースに生まれた裏のスペースに走りこんでいます。ハーフスペースには数字上数的同数です。しかし、白崎が河井からフリーの状態でボールを受ける、デュークがマークを外して動き出す、という時点でセレッソDF陣を2人出し抜いています。つまり実質ハーフスペースは2対0の状況で圧倒的数的優位だったわけです。デュークはハーフスペースに対する嗅覚が敏感で、走りこむだけでなく、このエリアで的となることで相手を引きつけて中央及びサイドにスペースを作るということができます。

 

デューク「ただの脳筋だと思うなYO」

 

エスパルス、ポゼッションの問題

現在のエスパルス基本フォーメーションは4-4-2です。守備時はそれぞれ横一線に並び3ラインを形成します。

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これが攻撃時には

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金子デュークがハーフスペースに入り4-2-2-2のボックス型になります。流動的なのが2トップとSB。外に出るのか内側に絞るのかは中盤によって変わるというのが現状。なので今のところは攻撃の決まり事というのは割と少なく、自由にさせているところがあるといえます。なので、エスパルスにおけるポゼッションの問題は至って簡単。誰がサイドで誰が内側に入るかが曖昧。アレ?これってやばくね?

 

現状のエスパルスビルドアップは2CBと2ボランチの4人。ただこの4人にポジショニングの特徴があるかというと特になし。まだディフェンスに時間を費やしている段階であってポゼッションに力を入れてるわけではないので受け手となる前4人+SBのポジショニングが重要になります。

 

縦の5つのレーン

これは両サイドと中央、そしてそれぞれの間に存在するハーフスペースの5つです。攻め時は中盤がボックス型になるので基本ハーフスペースには金子デュークが入ります。となると2トップとSBのポジショニングは不明確です。この4人の誰が両サイドと中央の残り3つを埋めるのか。

例えば第19節サガン鳥栖戦のドウグラスPK獲得につながるシーン。

 

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立田が奪い白崎へからのカウンターシーンです。この時の右サイドのポジショニングは

 

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金子がサイドにいるので、守備陣形の状態です。ここからカウンターが発動するわけですが、ポジティブトランジションでポジショニングにどう変化が起きるのか

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白崎からサイドに流れたボールに走りこんだのはドウグラス。サイドにいた金子はドウグラスが流れたことで生まれたスペースに走りこむ。

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金子がハーフスペースに走りこむことで、攻撃時のボックス型中盤が生まれるわけですが、その攻撃の起点として右サイドにFWが流れてくるというのがここ最近の形です。ガンバ戦のドウグラスのゴールにつながるシーンもそうでした。

 

カウンター発動のシーンでは、ボランチからサイドにボールが流れるシーンが多いです。右はFWが流れてくる。金子がハーフスペースに入り、あとSBが立田なのでサイドにはFWが流れた方がいい。では逆の左はというと、コチラは松原にデュークとサイズあり攻撃性能ありの選手がいます。

 

例えば先日の第21節川崎フロンターレ戦のドウグラスの先制ゴールは

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河井がカットしてからショートカウンターが始まります。この局面、河井北川デュークでトライアングルができ、前向きでプレーできるのは河井とデュークと2人います。

基本となるのは、トライアングル、ロンボという、ボールを安全かつスムーズに移動させることができる配置です。安全というのは、相手にインターセプトされる可能性が低いということです。具体的には横方向ではなく縦あるいは斜め方向にパスを出す。

 

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー 著者レナート・バルディ 片野道郎 発行ソルメディア 75項より引用 

 

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デュークが左のハーフスペースを攻略するために、デュークが前向きでボールを受けたい。そのために、

縦への志向の強さは、ボールを奪還してから平均何本のパスでフィニッシュしているかというデータからもある程度読み取れます。分析において重要なのは、ボール奪取後にパスを送る基準点となるプレーヤーは誰か、そのプレーヤーはどのような動きでパスを引き出そうとするかといったポイントです。縦への速い展開を狙う場合、基準点となるのはCFかウイングであることが多い。その動き方にも、CFがすぐに裏のスペースをアタックする、手前に引く、サイドに流れる、あるいは逆サイドに張ったウイングが裏のスペースをアタックするなどいくつかのパターンがあります。

 

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー 著者レナート・バルディ 片野道郎 発行ソルメディア 104項より引用 

 

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縦に入れて北川で起点を作り

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ハーフスペースにデュークが突撃。ハーフスペースをクッションに使うことでドウグラスにスペースを与えられる。

 

左の攻撃というのはこんな形が多くて、だいたいデュークがハーフスペースで、松原が大外のレーンでボールを受ける形で始まります。

 

そこでエスパルスの抱える攻撃の問題なんですが、ハーフスペース攻略は金子デュークでできます。攻略の糸口としての入り口にあたる部分も河井白崎から配給されます。ココに関してはいいんです。問題はハーフスペースを攻略後にスペースがない場合、鹿島戦みたいにハーフスペースにカギを閉められたときにどう攻略するのか。

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ハーフスペースをレオシルバによって封鎖されたらあらゆるエリアで数的不利を強いられみんな「ヒィヒィ」と言いながらカウンターに対応していました。現状、ハーフスペースの攻略法がワンパターンしかないのが課題です。デュークの場合は力業でなんとかしてくれる時があるんですが、だいたいフィニッシュまでは持ち込めない。行けてシュートは撃たされるような形。崩せているわけではないので相手のプラン通りに進められているわけです。

 

 

オフェンス完成への道はまだ険し

今の攻め筋はハーフスペースを利用したカウンターのみです。ヨンソンさんはポゼッションサッカー大好き監督なんで最終的にはポゼッションを上げるスタイルを構築していくんだろうと思います。ゾーンディフェンスの完成がそのままオフェンスへの形に繋がると思っています。だからまだまだです。今は速攻パターンを増やしていくことがオフェンス面でのやるべきことではないでしょうか。

 

 

デュークのゴーストが囁く

????「点が取れねぇシュートは下手だ、がなんだ!!あんなにハーフスペースで起点を作れ自ら攻略できれば守備もするしサイズもあって競り合いに勝てる。そんな選手他にいるか!?いるなら言ってみ!少なくとも日本人にはいないぞ!それだけで助っ人としての役目は十分に果たしているぞ!今いなくなってみろ。攻撃グダグダになるからな!!」

 

デューク「わ、枠をなんとかしてくれ......」

 

クリスラン「お、俺はどうなるんだ......」

ロシアを下したクロアチアはW杯を制することができるのか

■2つの心臓

クロアチアの攻撃はいつでもルカ・モドリッチとイバン・ラキティッチの2人から始まる。

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クロアチアのビルドアップは、この2人が最終ラインに組み込むことで中盤を空洞化にし、サイドチェンジを交えながら攻めていく。

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サイドを幅広く使い、前線のマンジュキッチ、クラマリッチペリシッチがフィニッシュするのが攻撃の形だ。

 

 

クロアチアに立ちはだかるロシアの壁

ロシアは、モドリッチラキティッチを抑えるために4‐4‐1‐1で、前2人にモドリッチラキティッチ両方にマークを付けてきた。

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2人に対して執拗にプレスをしたロシアは、ロブレンとヴィダの2人にボールが回るよう誘導。ここから出るボールを狙い、ブロック内で引っ掛けボールを回収する。

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前半のクロアチアの誤算は、出し手2枚にボールが届かず、ロシアの誘導通りにボールを動かしてしまったこと。ロブレンとヴィダからのボールに対するレシーバーを準備できなかったことだ。

 

 

クロアチアの修正

後半にクロアチアがやってきた修正は、中盤にレシーバーを配置すること。その役目になったのがモドリッチ

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ロブレンとヴィダからのパスの供給先になりながら自らも出し手として前線にボールを配給することでクロアチアはゴール前までボールを運ぶことができた。

 

高い位置に上がったモドリッチを抑えるべく、ロシアは中盤を1枚上げモドリッチ番に、そして中央に圧縮する。

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中盤が実質3枚となり、カバーが効かなくなったところで、そのギャップにマンジュキッチが受け手として中盤に降り、ペリシッチとクラマリッチでフィニッシュを担う。

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後半に、この形からペリシッチがポストにシュートを当てたシーンがあったように、クロアチアはロシアの守備を崩していったが、ロシアの集中した守備の前に得点を決められず、しかし最終的にPK戦の末にセミファイナルに進んだとさ。

 

 

クロアチアは優勝できるのか

クロアチア最大の武器は、冒頭で述べたようにモドリッチラキティッチの2人のゲームメーカー。この2人は出し手だけでなく受け手としても優秀であり、前に飛び出してゴールを決めたり、守備にも献身的で自らボールを奪いきってしまったりとハイパーなSランク級のミッドフィルダークロアチアにとって攻撃の修正はこの2人の高い能力によって2人のポジショニングをちょこッといじるだけで解消できたりする。そして残りの選手は彼らの傭兵であり続け、献身的に走り、犠牲になることを嫌わない。チーム力はフランス、ベルギー、イングランドに引けを取らないどころかそれ以上でもあり、ひょっとしたらマジで初優勝ありえるんじゃないかと、個人的には本気で思っていたり、そこまででもなかったり......。

ブラジルに玉砕したコスタリカが得たものは何か

今回はコスタリカ目線です。

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コスタリカの守備

5バックは横いっぱいに、その前に4人が中に絞って中央を施錠。ガブリエル・ジェズスとコウチーニョからなる中央起点を消す。よってブラジルの起点は、サイド高い位置でネイマールとウィリアンが張り、そこに集める。

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ブラジルの崩しは、右はウィリアンがドリブルでカットイン。左はネイマールが縦へのドリブルorマルセロが中央に入ってインナーラップしボールを受けていく。

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ハーフスペースに進入を試みるブラジルに対するコスタリカは、中盤のブライアンルイスがウィリアンに、マルセロにはベネガスがしっかり付いていって、中央からの攻略は阻止。5-4のブロックという、中央とサイドとハーフスペースすべてをカバーする鬼畜守備陣形を形成しました。

 

コスタリカの攻撃

コスタリカがブラジルに勝てるスコアは1-0。後方に人数を掛けているため、大量得点は難しく、そうなると最少得点での勝利だけがコスタリカの現実的プラン。数少ない攻撃チャンスを確実に仕留めるためには、ブラジルのウィークポイントを狙い続けること。

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コスタリカがターゲットとしたのはマルセロ。ここに183㎝の長身ホアン・ベネガスをぶつけ、右サイドを起点。因みに前半のコスタリカゴールキックは全てここを狙っていました。

マルセロの辺りで起点を作れると、マルセロの裏のスペースにウレーニャを走らせ、ブラジルはそのケアとしてカゼミーロが左へ。

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次第にベネガスの空中戦はカゼミーロが担当する。そして、カゼミーロがいなくなった中央に左のブライアン・ルイスが中央に入り込みゴールを狙う。

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攻撃では横にスライドすることでスピードのあるわけではないブラジル守備陣を攻略にかかる。

 

コスタリカを崩したいブラジル

後半からレフティーのドグラス・コスタを投入し勝負に出たブラジル。これにより、ドグラス・コスタはハーフスペースに陣取り、右SBのファグネルが高い位置を取る回数が増えます。

ブラジルがコスタリカ崩しの狙いとしたのが、リベロとストッパーの間のスペース。

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ブラジルは攻撃の起点をハーフスペースに位置取るドグラス・コスタとマルセロにし、コウチーニョとジェズス、そしてパウリーニョにも狙わせ徐々にコスタリカを崩していく。

後半23分にパウリーニョに替えフィルミーノを投入。システムを4-1-4-1に変更し、リベロ脇にフィルミーノとジェズスを配置。

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ほとんど崩せているものの、最後の砦、ケイラー・ナバスを崩せず。しかし我慢強く攻め続けた結果ロスタイムに入りコウチーニョが先制点GET。さらにネイマールが追加点GETで2-0。ブラジルが苦しみながら勝ち点3を取ったとさ。

 

敗者が得たものとは

コスタリカはブラジル崩しに最善を尽くして、そして勝負に敗れました。同時にグループリーグも敗退が決まりましたが、カウンターの精度やアイデアは前回大会を上回るものであり、前回のベスト8は決してフロックではなかったと証明できたことでしょう。王国ブラジル相手に1歩も引くことなく挑み続けた勇者が得たものは、強さと勇敢を証明したという事実でしょう。